内容説明
生涯で約四千首もの歌を遺した一葉。その人生は、虚無の浮世をいかに生きるかを見据え、「文学が人間に何をもたらすか」を問う。
目次
打ち靡く柳を見ればのどかなる朧月夜も風はありけり
散り残る花を訪ねて谷陰に今日見出でつる若楓かな
散り残る花の木末を吹く風の今朝心地よき夏は来にけり
冬籠もる窓のうちまで薫りけり軒端の枇杷の花咲きしより
山深み人こそ訪はね読む文の上に昔の友はありけり
憂き事も雪も山路も深ければ春だに遅き心地こそすれ
卯の花の憂き世の中のうれたさにおのれ若葉の蔭にこそ住め
山の端の梢明るくなりにけり今か出づらむ秋の夜の月
限りなくうれしきものは我が思ふ人をば人の誉むるなりけり
宮城野にあらぬものから唐衣なども小萩の繁きなるらむ〔ほか〕
著者等紹介
島内裕子[シマウチユウコ]
1953年東京都生。東京大学文学部卒業、東京大学大学院修了。博士(文学)。現在、放送大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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