内容説明
時代も社会状況も異なれど、抒情詩は共通の世界史的基盤から発生していることを説き、日本において抒情の類型がすべて万葉歌人のなかにあることを明らかにする。王権論も視野に入れ、時代や社会との関係のなかで歌を読み解く。
目次
序章 古代抒情詩論(古代抒情詩の誕生―その歴史的基盤の普遍性;人麻呂・憶良・赤人・家持―抒情詩の類型)
第1章 王権と万葉歌―平城遷都以前(舒明・雄略御製「夕されば…」錯雑考;天武天皇の王権と吉野御製;壬申の「乱」と万葉集;天武天皇と五百重娘;藤原不比等と万葉集;藤原宮と万葉集の鴨君足人の歌;平城遷都と万葉集歌―七一〇年代の政治と文学)
第2章 万葉歌人各論(柿本人麻呂その一―その「天」の諸用例、「天離」など;柿本人麻呂その二―枕詞「天尓満」考;柿本人麻呂歌集非略体歌の作歌年代について;山部赤人の心と表現;高橋虫麻呂論;高橋虫麻呂「由奈由奈波」考;高橋虫麻呂、筑波山カガヒの歌―附、「目串」語義一案;大伴家持の「映発」;大伴家持、史生尾張少咋を教へ喩す歌)
著者等紹介
金井清一[カナイセイイチ]
1931年埼玉県に生まれる。1957年東京大学文学部国文学科卒。1965年東京大学大学院博士課程満期退学。現在、京都産業大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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