万葉挽歌の表現―挽歌とは何か

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万葉挽歌の表現―挽歌とは何か

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  • サイズ A5判/ページ数 330,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784305708137
  • NDC分類 911.12
  • Cコード C0092

出版社内容情報

万葉人は死や死者に対して

どのように向き合おうとしたのか



万葉集に挽歌として載せられた歌は、

編者にそのように判断され

配列されたものがほとんどである。



歌の作者に「挽歌を詠む」という

意識があったとは限らない。

では、編者が挽歌だと判断したポイントはどこにあるのだろうか。



編者の挽歌観を探ると共に、

挽歌部に収載された歌の表現と、

収載されなかった表現との違いを見極め、

挽歌の成立とその本質を解明する。



【挽歌については様々な角度から研究が進められているが、本書が目的とするのは挽歌の成立とその本質の解明である。(中略)編者は単に各歌の題詞や左注等に記された情報を収載の基準にしただけではなく、歌に詠み込まれた「意」をも考慮に入れて歌を採録したことになる。歌に詠み込まれた「意」は、当然、歌表現から読み取るものである。編者にその歌を「挽歌」と判断させた歌表現のポイントは、どこにあるのだろうか。それを知るためには、編者の挽歌観を探ると共に、実際に挽歌部に収載された歌の表現と、逆に収載されなかった歌の表現を見ていく必要があるだろう。

...「序章 万葉挽歌研究の視点」より】

■序章 万葉挽歌研究の視点



第一節 万葉挽歌研究史と本書の目的--予備的考察として--

一 はじめに/二 挽歌の源流考について/三 挽歌研究の現在/四 本書の目的



第二節 万葉挽歌の表現と変遷

一 はじめに/二 挽歌の年代と収載/三 有間皇子自傷歌群と挽歌/四 死者の意志/五 挽歌の変遷/六 むすび

  

■第一章 万葉人の挽歌観 



第一節 有間皇子自傷歌群の意味

一 はじめに/二 冒頭歌の問題/三 自傷歌の表現と挽歌/四 有間皇子自傷歌群の意味/五 むすび



第二節 有間皇子自傷歌群左注考--編者の挽歌観と意図--

一 はじめに/二 研究史概観/三 挽歌と出典/四 むすび--左注の意味と編者の意図--



第三節 山上憶良「日本挽歌」の表現

一 はじめに/二 研究史概観/三 石木をも 問ひ放け知らず/四 むすび



■第二章 万葉挽歌の方法



第一節 天智挽歌群 姓氏未詳婦人作歌考

一 はじめに/二 一五〇番歌の構造/三 「神」と「離り」/四 夢に見えつる/五 むすび



第二節 柿本人麻呂「日並皇子殯宮挽歌」の方法--反歌をめぐって--

一 はじめに/二 研究史概観--話者について--/三 「惜しも」の意味/四 「惜しも」の表現性と挽歌/五 むすび--当該歌の話者--



第三節 柿本人麻呂「高市皇子殯宮挽歌」の方法

一 はじめに/二 解釈上の問題点/三 鎮座の表現/四 「鎮まりましぬ」の表記/五 「神」と歌うことの意味/六 むすび



第四節 柿本人麻呂「吉備津采女挽歌」の方法--「秋山の したへる妹 なよ竹の とをよる子ら」考--

一 はじめに/二 先行研究と問題点/三 いかさまに 思ひをれか/四 秋山の したへる妹/五 なよ竹の とをよる子ら/六 むすび--人麻呂の論理--



■第三章 万葉挽歌の周辺



第一節 巻八夏雑歌 大伴旅人の望遊唱和歌考

一 はじめに/二 当該唱和歌の問題点/三 卯の花の共にや来し/四 旅人歌のホトトギス/五 むすび



第二節 ホトトギスと死者追慕の歌--万葉歌から中古哀傷歌へ--

一 はじめに/二 万葉のホトトギス/三 大伴旅人の唱和歌/四 死者追慕とホトトギス/五 むすび--挽歌との比較--



《補論》 東歌のホトトギス詠--巻十四・三三五二番歌の考察--

一 はじめに/二 研究史概観/三 ホトトギス詠の表現/四 当該歌の構造/時過ぎにけり/六 むすび--作者像--  



第三節 倭建命の喪葬物語--『古事記』と鎮魂--

一 はじめに/二 『古事記』の鎮魂



■終章 万葉挽歌の実体と課題 --挽歌とは何か--

一 はじめに/二 死者の遺志と挽歌/三 死者の思いと鎮魂/四 くどき文句/五 『古今集』哀傷歌との比較/六 挽歌の変遷--鎮魂から悲傷へ--/七 むすび



初出一覧

あとがき

索引(人名・事項/文献・作品名/万葉集歌番号/上代歌謡・中古和歌集)

高桑 枝実子[タカクワ エミコ]
一九七二年、千葉県生まれ。一九九五年、お茶の水女子大学文教育学部国文学科卒業。二〇一三年、東京大学大学院人文社会系研究科日本文化研究専攻博士課程修了。博士(文学)。現在、聖心女子大学・武蔵大学非常勤講師。専攻、日本古代文学、日本古代文化論。
 論文・著書に、「大物主神の色好み」(『国文学 解釈と鑑賞』69巻12号 二〇〇四年十二月)、「『記紀神話』アメノウズメノミコト」(『同』71巻12号 二〇〇六年十二月)、「記紀歌謡と万葉集─挽歌成立の問題として」(『古代歌謡とはなにか 読むための方法論』笠間書院 二〇一五年二月)。共著に、『万葉語誌』(筑摩書房 二〇一四年八月)など。

内容説明

万葉集に挽歌として載せられた歌は、編者にそのように判断され配列されたものがほとんどである。歌の作者に「挽歌を詠む」という意識があったとは限らない。では、編者が挽歌だと判断したポイントはどこにあるのだろうか。編者の挽歌観を探ると共に、挽歌部に収載された歌の表現と、収載されなかった表現との違いを見極め、挽歌の成立とその本質を解明する。

目次

序章 万葉挽歌研究の視点(万葉挽歌研究史と本書の目的―予備的考察として;万葉挽歌の表現と変遷)
第1章 万葉人の挽歌観(有間皇子自傷歌群の意味;有間皇子自傷歌群左注考―編者の挽歌観と意図;山上憶良「日本挽歌」の表現)
第2章 万葉挽歌の方法(天智挽歌群 姓氏未詳婦人作歌考;柿本人麻呂「日並皇子殯宮挽歌」の方法―反歌をめぐって;柿本人麻呂「高市皇子殯宮挽歌」の方法;柿本人麻呂「吉備津采女挽歌」の方法―「秋山のしたへる妹なよ竹のとをよる子ら」考)
第3章 万葉挽歌の周辺(巻八夏雑歌 大伴旅人の望遊唱和歌考;ホトトギスと死者追慕の歌―万葉歌から中古哀傷歌へ;東歌のホトトギス詠―巻十四・三三五二番歌の考察;倭建命の喪葬物語―『古事記』と鎮魂)
終章 万葉挽歌の実体と課題―挽歌とは何か

著者等紹介

高桑枝実子[タカクワエミコ]
1972年、千葉県生まれ。1995年、お茶の水女子大学文教育学部国文学科卒業。2013年、東京大学大学院人文社会系研究科日本文化研究専攻博士課程修了。博士(文学)。現在、聖心女子大学・武蔵大学非常勤講師。専攻、日本古代文学、日本古代文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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