講談社選書メチエ<br> 「社会」の誕生 トクヴィル、デュルケーム、ベルクソンの社会思想史

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講談社選書メチエ
「社会」の誕生 トクヴィル、デュルケーム、ベルクソンの社会思想史

  • 著者名:菊谷和宏【著】
  • 価格 ¥1,485(本体¥1,350)
  • 講談社(2015/07発売)
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  • ポイント 325pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062585088

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内容説明

19世紀フランス、二月革命。そこから人は、超越性に包まれた「世界」から「社会」という概念を生成した。神という超越性に包摂された世界から、社会という観念が切り離されたとき、「社会科学」が生まれた。19世紀フランスに生まれたトクヴィル、デュルケーム、ベルクソンという三者を、ひとつの流れとして読み解く、これまでにない「ユニーク」な思想史! (講談社選書メチエ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

evifrei

19
①トクヴィル、②デュルケーム、③ベルクソンにみられる思想史の展開に基づき、「社会」の誕生を考察する。著者の指摘によると①神授されたものではなく人間相互の存在により成立する「社会」は七月王政から始まり、②身体を基盤とする現実的「生」の存在する場として発展した後、③生命・時間に基づく「持続」の場として展開していく。「社会」の誕生とは社会学の分野で主に扱い考察を深めるテーマだが、多くの社会学の書籍がデュルケームの思想のみに着目する事が多い中、本書は一連の流れとして「社会」の誕生を捉えており非常に興味深く読めた。2020/07/23

かんがく

16
フランス近代史の概略とともに、その中で共通性をもつ自由な「人間」によって構成される「社会」という概念がどのように成立したのかをトクヴィル、デュルケーム、ベルクソンの3人の思想家を引用しつつ解説する。使う言葉が難しいが、同じ内容が繰り返し述べられるので理解はしやすかった。ヨーロッパの人間観・社会観を理解するにはキリスト教をもう少し深く学ぶ必要があると思った。2022/03/30

Mealla0v0

7
今日社会の言葉で理解されるような全体、ひとまとまりは、かつて「世界」と呼ばれていた。世界とは、神のような超越性に権威付けられた全体であった。だが、トクヴィルはこの世界が革命によって崩れ、その代わり「社会」が生起する歴史を目撃した。社会とは、超越性を失い、内在的に特権化された相互行為の所産である。デュルケムは社会を客観的に記述する学知を生み出し、社会を、そしてその担い手たる人間性を特権化した。ベルクソンは、生の哲学において人間性を超越項と措定することで社会は社会によって特権化する方途を拓いたのだという。2021/02/11

白義

7
社会という概念の誕生と根幹にある生の哲学を中心に、トクヴィル、デュルケーム、ベルクソンという一風変わったならびの思想史とフランス近代史を一つの物語として見事に語った力作。トクヴィルが向き合った世界からの世俗社会の分離、世俗という牢獄からデュルケームの社会学とその科学の背後に潜む生命の哲学、そしてベルクソンの、他者との相互創造としての愛、とそれぞれの思想家たちの内在平面が見事に一本のストーリー、歴史として緊密に絡まり、リンクする。何か上手い小説を見ているような感覚だ。ボリュームのわりに中身が濃い2011/09/28

D.Okada

6
「人間の生が不断の創造である以上、[...]我々は身体に基礎付けられた現実を生きる人間として、互いに自由に意識的に創造し合うことができる。いや、たとえその程度は様々であれど実際に日常的にそうしているはずだ。我々人間は「物」では、機械では、組織の部品では、ありえないのだから。本性において自由でない〈私〉、自由でない「社会」などありえない。人間の生が意識的反省的な自発的自由である以上、そのような〈私〉や「社会」は、「死である生」というまったくの矛盾、まったくの非現実を意味することになるのだから」。2011/08/28

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