出版社内容情報
『枕草子』の謎を解明する!
『枕草子』の章段の順序は置き換えられているのではないか?!―複数回にわたって成立した形跡が見られる『枕草子』を、幾度かにわたって成立したことを前提とし、全章段の繋がりをたどることにより、これまで見落とされていた章段の連続性(全章段の約三分の一に及ぶ一〇〇余の事例)を掘り起こす。その連続性を手掛かりに、新たな章段の順序に並び替えた野心的な書。付 枕草子年表・枕草子全章段表。
【『枕草子』は、大きな謎に包まれた文学である。「春は曙」(初段冒頭)「この草子、目に見え、心に思ふ事を」(跋文冒頭)―『枕草子』は、この堂々たる初段と跋文を持ちながら、跋文の内容は謎に満ちており、そこには『枕草子』が複数回にわたって成立した形跡が見られる。また、現在、残されている四系統の伝本の中で、最善本とされる三巻本でさえ、「不審ヲ散ゼズ」(三巻本奥書)という心もとない状況にある。跋文直前に位置する一本全二七段の存在についても、何ら明確な答えが出されていない。
本書は、こうした『枕草子』の根幹にかかわる謎の解明を目指すものである…】「まえがき」より
まえがき
凡例
基礎篇
第一章 章段の構成(一)―接続関係からの検証
第一節 章段前後の接続関係(一)―一本全二七段と跋文を含む全章段の検証
第二節 章段前後の接続関係(二)―章段群の整理
第二章 章段の構成(二)―跋文を踏まえての検証
第一節 『枕草子』の発表時期―跋文の検証
一 『枕草子』執筆までの経緯
二 『枕草子』の発表時期はいつか
第二節 『枕草子』の構成―総合的検証
考究篇
第一章 連想の文芸―見落とされていた章段の連続性
第一節 連想のパターン(一)―章段の繋がり方の基本的特徴
第二節 連想のパターン(二)―前段と次段の接続関係
第三節 見落とされていた連続性(一)―三巻本の前後章段において
第四節 見落とされていた連続性(二)―四期構成から浮かび上がる連続章段において
第五節 連想の文芸
第二章 四期構成の特性
第一節 第一期 原初『枕草子』の章段群
第二節 第二期 日記回想的章段初出の章段群
第三節 第三期 跋文の章段群
一 跋文に隠された意味―道長摂関家周辺での発表宣言
二 第五・六段挿入の背景―道長摂関家周辺での発表の痕跡
第四節 第四期?~?―跋文後の章段群
一 第四期?―道長が語られる第一二三・一三六段の意味
二 第四期?―第四期?初段「淑景舎、春宮に参り給ふ程の事など」の意味
三 第四期?―『枕草子』最終章段群
第五節 四期構成の特性
第三章 三巻本の実態と能因本の位置づけ
第一節 一本全二七段の実態
第二節 三巻本の実態
第三節 能因本の位置づけ
主要参考文献
枕草子年表
あとがき
枕草子全章段表
第一期(定子サロンでの発表)章段表
第二期(源経房による流布)章段表
第三期(跋文の章段群)章段表
第四期(跋文後)?章段表
第四期(跋文後)?章段表
第四期(跋文後)?章段表
斎藤 正昭[サイトウ マサアキ]
1955年、静岡県生まれ。1987年、東北大学大学院博士課程国文学専攻単位取得退学。元いわき明星大学人文学部教授。文学博士。
著書に、『源氏物語 展開の方法』(笠間書院、1995年)〈私学研修福祉会研究成果刊行助成金図書〉、『源氏物語 成立研究―執筆順序と執筆時期―』(笠間書院、2001年)、『紫式部伝―源氏物語はいつ、いかにして書かれたか』(笠間書院、2005年)、『源氏物語の誕生―披露の場と季節』(笠間書院、2013年)、『源氏物語のモデルたち』(笠間書院、2014年)など。
内容説明
『枕草子』の謎を解明する!『枕草子』の章段の順序は置き換えられているのではないか?!―複数回にわたって成立した形跡が見られる『枕草子』を、幾度かにわたって成立したことを前提とし、全章段の繋がりをたどることにより、これまで見落とされていた章段の連続性(全章段の約三分の一に及ぶ一〇〇余の事例)を掘り起こす。その連続性を手掛かりに、新たな章段の順序に並び替えた野心的な書。付、枕草子年表・枕草子全章段表。
目次
基礎篇(章段の構成(一)―接続関係からの検証
章段の構成(二)―跋文を踏まえての検証)
考究篇(連想の文芸―見落とされていた章段の連続性;四期構成の特性;三巻本の実態と能因本の位置づけ)
著者等紹介
斎藤正昭[サイトウマサアキ]
1955年静岡県生まれ。1987年東北大学大学院博士課程国文学専攻単位取得退学。元いわき明星大学人文学部教授。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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