内容説明
昭和28年、地方から一人上京し、ひたむきに古書店で働く五十嵐青年の日常。早稲田で50年近い歴史を持つ、日本文学や日本史に強い古書店、五十嵐書店を創業した五十嵐智氏の若かりし頃の日記。19歳の時山形から上京し、神田の古書店南海堂で10年間働いた後独立した。本書はその間の独立前夜の日記である。
目次
五十嵐書店と五十嵐日記
五十嵐日記(五十嵐智)(昭和二八(一九五三)年六月~昭和二九年四月
昭和三〇(一九五五)年一月~十二月 ほか)
日記補遺―神田から早稲田へ
関連資料(古書店地図(神田)、(早稲田)
五十嵐智氏年表(一九三四~一九七〇年) ほか)
残さなければならないもの、残したいもの(南海堂書店について;南海堂書店での修業 ほか)
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感想・レビュー
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sasha
4
現在は2代目が跡を継いでいる早稲田・五十嵐書店。創業者である五十嵐智氏が上京した昭和28年から独立前夜までの日記の抄録。大きな事件はないけれど、大学進学への夢を抱えたまま仕事に忙殺されることへの嘆きから、古書店員として仕事へ打ちこんで行く心の変化が読み取れる。巻末の人名一覧なども資料として便利。衣食住足りて、次は娯楽が求められるようになった昭和20年代後半から30年代後半まで。古書店街は今とは違った賑わいを見せていたのだろうな。企業が社員の娯楽の為に「読書室」を設けていたなんてびっくり。2016/05/04
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- 和書
- 九龍城の闇 小学館文庫