出版社内容情報
2007年、フランス国立東洋言語文化大学で開催された、
谷崎潤一郎パリ国際シンポジウムでの成果をまとめる。
言語学・建築学・フランス文学・古典文学の視点も交え、
アカデミックな枠組みを脱した新しい谷崎論。
はしがき...アンヌ バヤール・坂井
Ⅰ文化、メディアの境界
複製技術の時代における『陰翳礼賛』...千葉俊二
ジェンダー越境の魅惑とマゾヒズム美学ー谷崎初期作品
における演劇的・映画的快楽...鈴木登美
旧道徳を超えてー「鍵」の今日性...明里千章
身体創造とユートピア...坪井秀人
谷崎潤一郎と写真ー抹消と侵犯の欲望の顕示...榊敦子
谷崎の映画における「現実効果」の獲得...スティーヴン・リジリー
『幼少時代』と明治東京の都市空間...藤原学
「谷崎源氏」端緒、経過、再考...伊吹和子/ゲイ・ローリー
谷崎潤一郎と『雨月物語』...アントニー・チェンバース
Ⅱ言語、フィクションの境界
『痴人の愛』と外国語のレッスン...野崎歓
谷崎の言語観と『文章読本』における東洋認識...李長波
歴史叙述と小説ー「盲目物語」をめぐって...日高佳紀
作者、筆者、そして叙述行為としてのエクリチュール
...アンヌ バヤール・坂井
谷崎文学におけるフィクションの超越
ー初期短篇小説に関する一考察...坂井セシル
作られる歴史
ー「春琴抄」における過去という虚構...スティーブン・ドッド
『細雪』試論ー〈衣〉の提供と流通をめぐって...三田村雅子
ささめごとに耳を澄ませば
ー話し声から考えた『細雪』...エステル・フィゴン
一二年後の谷崎ーヴェニスからパリへ...アドリアーナ・ボスカロ
あとがき...千葉俊二
内容説明
危険な作家がもつ毒性=谷崎文学の魔力にとりつかれた世界各国の19人による斬新な谷崎論。アカデミックな枠組みを脱し、従来の文学研究がとらわれていたカテゴリー・境界を超えた新たな谷崎像を提示。
目次
文化、メディアの境界(複製技術の時代における「陰翳礼讃」;ジェンダー越境の魅惑とマゾヒズム美学―谷崎初期作品における演劇的・映画的快楽;旧道徳を超えて―「鍵」の今日性;身体創造とユートピア;谷崎潤一郎と写真―抹消と侵犯の欲望の顕示 ほか)
言語、フィクションの境界(『痴人の愛』と外国語のレッスン;谷崎の言語観と『文章読本』における東洋認識;歴史叙述と小説―「盲目物語」をめぐって;作者、筆者、そして叙述行為としてのエクリチュール;谷崎文学におけるフィクションの超越―初期短編小説に関する一考察 ほか)
著者等紹介
千葉俊二[チバシュンジ]
1947年宮城県で生まれ、横浜に育つ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、早稲田大学教育・総合科学学術院教授
アンヌバヤール・坂井[アンヌバヤールサカイ]
1959年、東京都生まれ。フランス国立高等師範学校卒、パリ第七大学大学院博士号取得。現在、フランス国立東洋言語文化大学教授、日本研究センター所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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