出版社内容情報
遙か古代、有名な「歌」だったにもかかわらず、
歌集には縁がなく、それ以外のところで
盛んに出て来る「難波津の歌」。
この歌の出自を探ることで、
和歌の起源が見えてくる。
文学の歴史を変える、スリリングな一冊!
2008.5.23に報道された、万葉歌と同じ歌を書いた木簡が発見されたことの、
本質的な意味もわかる本です。
カラーグラビア●
滋賀県甲賀市史跡紫香楽宮跡(宮町遺跡)出土
「両面歌木簡」のカラー写真・赤外線写真・復元木簡(模型)の写真
プロローグ●
「うた」を素材にした「歌」が昇華して和歌となる
第一章●
難波宮跡から出土した「歌木簡」
第二章●
紫香楽宮跡から出土した「両面歌木簡」
1.表裏に「難波津の歌」と「安積山の歌」が書かれた木簡
2.「難波津の歌」と「安積山の歌」は「歌」の手本だった
第三章●
典礼の席でうたう「歌」
1.律令官人は職務として「歌」をつくり書いた
2.中国の「楽府」と日本の「歌」
第四章●
出土物に書かれた「歌」たち
1.出土した「難波津の歌」たち
2.出土した「歌」たち「うた」たち
第五章●
観音寺遺跡から出土した「難波津の歌」木簡の価値
第六章●
「歌」の記録と和歌の表記
1.「歌」をうたう場と記録
2.漢字で「歌」を書くとき和歌を書くとき
第七章●
五重塔の天井に書かれた「難波津の歌」と和歌
第八章●
典礼の場から文学サロンへ、そして贈答歌へ
第九章●
「難波津の歌」の世界と『万葉集』の世界
後書
付録
・関連年表
・主な木簡出土地図
・著者名索引
・キーワード索引