内容説明
中也詩をテクストとして従来の作家論から切断する、あるいは非文学的領域と接続させる。中也詩とそれをめぐる様々な事象との接続、切断とを繰り返し「文」学の内包する自己矛盾、あるいは「文学」学ともいうべき「文学」そのものへの切開を試みる。中也詩を通して「文学」の内部にまで接続の触手をのばしていく。
目次
“接続”する中也・“切断”される中原―序章にかえて
第1部 社会から詩人へ―言文一致政策と詩人たち(中也詩における語り手とは―「春日狂想」を視座にして;言文一致の忘れ物―敬体の言文一致文体をめぐって;新吉と中也のダダイズム―文体意識をめぐって)
第2部 「接続」する中也、「切断」される中也(再考、中也の詩的出発点論争―「詩的履歴書」をめぐって;中也詩の“述志”の系譜―「春の日の夕暮」から『山羊の歌』へ;失われた可能性―「朝の歌」をめぐって)
第3部 詩人から社会へ―インターテクスチュアリティの可能性をめぐって(「言葉なき歌」との対話のために;作家論的磁場を越えて)
著者等紹介
疋田雅昭[ヒキタマサアキ]
昭和45(1970)年兵庫県生まれ。平成16(2004)年立教大学にて学位取得。博士(文学)。現在、立教大学日本学研究所特別研究員。明星大学、立教大学、大東文化大学、芝浦工業大学、芝学園非常勤講師。昭和期を中心に、近現代詩、アヴァンギャルド、モダニズム文学などを対象に、それらを他領域との関連において考察している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- リンさんの小さな子