内容説明
天皇、公家、武士…秀吉から、宗祇まで乱世に詠まれ続けた「歌」のアンソロジー。
目次
1 天皇・公家歌人(甘露寺親長;飛鳥井雅康;後土御門天皇;姉小路基綱;冷泉政為;徳大寺実淳;三条西実隆;邦高親王;飛鳥井雅俊;後柏原天皇;卿内侍;冷泉為和;三条西公条;後奈良天皇;三条西実枝;正親町天皇)
2 武家歌人(北条早雲;蜷川親元;木戸孝範;足利義政;大内政弘;足利義尚;蒲生智閑;素純;道堅;細川高国;十市遠忠;北畠国永;北条氏康;武田信玄;豊臣秀吉)
3 その他(正広;堯恵;蓮如;道興;宗祇;肖柏;宗長;兼載;桜井基佐;荒木田守武;豊原統秋)
著者等紹介
林達也[ハヤシタツヤ]
1941年、東京生。駒澤大学文学部教授
廣木一人[ヒロキカズヒト]
1948年、神奈川生。青山学院大学文学部教授
鈴木健一[スズキケンイチ]
1960年、東京生。学習院大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinaba
1
『なかなかに清めぬ庭は塵もなし 風にまかする峰の下庵』北条氏康のこの歌が、紹介されている他のすべてを遙か圧倒する鮮やかさと思う。少しニヤリとしながら詠んだような、他の誰でもない自分から生まれ出でた歌である、という自負が感じられる歌の良さ。2014/11/19
田中AD
0
掲載されてる歌が少ないのが残念だが、類書がないのでね。できるなら戦乱を全快にしてほしかった。[和歌史を学ぶ人のために]の年表にこの時代の作品が少ないことから仕方がないのだろうか。2016/01/18
山がち
0
室町和歌史を読みたかったのだけれども、実際は室町期の歌人について、それも各人一首から三首程度の紹介でちょっと残念だった。しかしながら、解説は本歌や鑑賞が丁寧に書かれており、また選歌は室町期の特色を映しているのかどうか私には判断するだけのものがないものの、確実に新古今以前とは違う詞や風体であって非常に面白い。最も印象に残ったのは「秋の空風待つ頃のうたた寝に涼しく通ふ宵の稲妻」である。四句までの穏やかさ、うたた寝、涼しくという詞から結句の稲妻である。これは驚かずにはいられない。他にも新鮮な歌がいくつもあった。2013/09/08