中公文庫<br> 清水幾太郎の覇権と忘却 メディアと知識人

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中公文庫
清水幾太郎の覇権と忘却 メディアと知識人

  • 著者名:竹内洋【著】
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • 中央公論新社(2018/05発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122065451

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内容説明

戦後、圧倒的な支持を受け、大きな影響力を持ちながら、急速に忘れ去られた思想家・清水幾太郎。著者は、彼の栄光も凋落もその戦略ゆえとする。「正系」知識人にラジカルに挑戦し続けた清水の戦略とは。その詳細を読み解き、現在にも通じるメディア知識人の姿を明らかにする。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

つかぬ間の休息

3
清水幾太郎は、私の文章作法を高校の時にたまたま読んだのが始まりだったと思う。昭和の人間ではない私にとって彼の来し方など知る由もなかったが、読み通してみて時代の雰囲気とあわせ知識人のあり方を知ることができた。現代論壇のメタ分析ってないのかな。2018/03/26

本命@ふまにたす

2
戦前、戦後日本で活躍した研究者、ジャーナリスト、言論人の清水幾多郎に関する一冊。基本的には生涯の流れに沿いつつも、福田恆存や丸山真男など、同時代の言論人と比較する視点を持ちながら書かれているのが特徴か。2022/09/06

JVSTINVS

1
「インテリになりたい」という一心でのし上がっていった清水幾太郎のがむしゃらさに、小さな感動さえ覚えてしまう。清水幾太郎が何やら愛おしくなる1冊である。2022/12/06

saiikitogohu

1
「清水にとって、知識人としての成功は転覆戦略の成功にあったが、忘れられた思想家になったのも過剰に反復される転覆戦略ゆえのものだった」(340)「庶民と対面したときには、知識人=啓蒙化として振る舞い、知識人の輪のなかにいるときには庶民の代弁者としてラジカリズムをぶった」「ところが、経済の高度成長とともに飢餓の恐怖がなくなった…同時に飢餓の恐怖を抱えた大衆を代表する知識人という表象へのコミットメントもなくなる。それにともなって、「戦略としての庶民」や「ラジカリズム」も消滅する。」(357-358)2018/03/18

Lieu

0
敗残の江戸っ子が学歴獲得戦争を勝ち残り、東大教授への道を上司の教授との不和で閉ざされるも、筆一本で戦争と言論弾圧の時代を潜り抜け、戦後は平和運動の旗振り役、そして保守化、没後の急速な忘却。「知識人」的なものへのアンビヴァレントな感情を抱き続けながら、みずから典型的な戦後知識人になってしまう。社会学の理論をしっかり下敷きとしながらも、バルザックの社会小説のように面白い。2023/02/04

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