内容説明
紫上の人物造型を軸として、作品中に散りばめられた数々の謎を解き明かし、紫上と光源氏の関係は、「禁忌の姫君」と「抑制の効く男」との結婚である事、紫上は宗教に生きる女として捉え、これを立証する。
目次
第1章 紫の実年令
第2章 尼君・僧都及び光による紫の育て方
第3章 新手枕での、光に対する紫の抵抗
第4章 空に通ふ御心―別居中の紫と光とを結ぶきづな
第5章 明石姫君の誕生と住吉の神の導き
第6章 紫のいわゆる「嫉妬」
第7章 朱雀の女三宮の婿選び
第8章 女三宮の六条院入り―光・紫の対応と苦悩
第9章 「心ざしおかれたる極楽の曼荼羅」―弥陀来迎の紫雲の「紫」
付章 宿曜の予言と薄雲巻の天変
著者等紹介
望月郁子[モチズキイクコ]
昭和8年11月21日、静岡県藤枝市に生れる。昭和31年、津田塾大学英文科卒業。昭和35年、法政大学大学院日本文学科修士課程修了。学習院大学国文科聴講生。常葉女子短期大学助教授、静岡大学教養部教授、同人文学部教授を経て、二松学舎大学大学院文学研究科教授。2003年3月退職。『類聚名義抄の文献学的研究』(笠間書院)(第1回関根賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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