出版社内容情報
政府備蓄米を大量に放出してもコメの価格はなぜ大きく下がらないのか? コメ高騰は2026年秋まで終息しないと予測できるのはなぜなのか? 異常なコメ不足は、決して猛暑による不作が真因ではない。令和になっても続く減反、つまりコメの生産量を意図的に低下させ、価格を高値で維持させ、JA農協・農水省・農林族(農政トライアングル)といった「既得権益」が利益を得るための「コメ殺しの構造」から生まれた“人災”である。消費者不在、納税者不在で、コメを権益の道具、政争の具にしてきた「農政トライアングル」は、いかにコメの価格を操作してきたか? 国民に気づかれないまま巨額の財政負担(消費税2%相当)を強いて、いかに日本の水田を潰してきたのか? そして経済原理、市場の法則から逸脱した歪な流通のカラクリとは? 主食の安定的な供給責任を放棄した農政の黒歴史とコメ高騰&令和コメ騒動の“黒幕”を炙り出す渾身のオピニオン。国民と真摯な主業コメ農家がバカを見る権益構造解体、真の食料安全保障への道しるべを、元農水官僚が緊急提言!
■著者略歴
山下一仁 (やましたかずひと)
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹、経済産業研究所上席研究員(特任)。
1955年岡山県笠岡市生まれ。東京大学法学部卒業、農林省入省。農林水産省ガット室長、欧州連合日本政府代表部参事官、農林水産省地域振興課長、農村振興局整備部長、同局次長などを歴任。2008年農林水産省退職。1982年ミシガン大学応用経済学修士、行政学修士。2005年東京大学博士(農学)。
主な著者に『詳解WTOと農政改革』(食料・農業政策研究センター、2000年)、『食の安全と貿易』(日本評論社、2008年)、『農協の大罪』(宝島社新書、2009年)、『「亡国農政」の終焉』(ベスト新書、2009年)、『農業ビッグバンの経済学』(日本経済新聞出版社、2010年)、『農協の陰謀』(宝島社新書、2011年)、『農協解体』(宝島社、2014年)、『日本農業は世界に勝てる』(日本経済新聞出版社、2015年)、『TPPが日本農業を強くする』(同、2016年)、『バターが買えない不都合な真実』(幻冬舎新書、2016年)、『いま蘇る柳田國男の農政改革』(新潮選書、2018年)、『国民のための「食と農」の授業』(日本経済新聞出版、2022年)、『日本が飢える!』(幻冬舎新書、2022年)、『食料安全保障の研究』(日本経済新聞出版、2024年)ほか多数。新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど数多くのメディアでコメ問題について解説。
【目次】
内容説明
コメの異常な価格高騰は決して猛暑による不作が真因ではない。令和以降も続いてきた「減反」、すなわちコメの生産量を低下させ、高米価を維持したいJA農協・農水省・農林族(農政トライアングル)が招いた人災である。コメを殺し、水田を殺してきた農政の黒歴史と令和コメ騒動の黒幕たちを炙り出す渾身のオピニオン集。消費者と真摯な主業農家が馬鹿を見る権益構造は解体できるか?コメの増産・輸出、そして真の食料安全保障への道標。
目次
序章 国民は「今の農業」を知らない
第1章 令和のコメ不足と価格高騰の真相
第2章 農水省のウソに騙されたマスコミと“専門家”
第3章 コメの値段は“操作”されている
第4章 減反は憲法違反である
第5章 「コメ農家は赤字」のウソ
第6章 農水省が沈黙する「食料危機」の真実
第7章 コメの輸出が食料安全保障の危機を救う
第8章 JA農協の正体
第9章 農政トライアングルの「壁」
終章 コメ政策大改革vs農林族議員のゆくえ
著者等紹介
山下一仁[ヤマシタカズヒト]
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹、経済産業研究所上席研究員(特任)。1955年岡山県笠岡市生まれ。東京大学法学部卒業、農林省入省。農林水産省ガット室長、欧州連合日本政府代表部参事官、農林水産省地域振興課長、農村振興局整備部長、同局次長などを歴任。2008年農林水産省退職。1982年ミシガン大学応用経済学修士、行政学修士。2005年東京大学博士(農学)。新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど数多くのメディアでコメ問題について解説(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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