出版社内容情報
藤原道長が権勢を誇り、紫式部が生きた11世紀初め、平安時代最大ともいえる対外危機が起きました。刀伊と呼ばれる異民族の集団が突如として、対馬と壱岐に襲来、さらに博多湾へと侵攻してきたのです。この危機に立ち上がったのが、権力闘争に敗れ、大宰府に赴いていた藤原隆家と在地の武者たちです。本誌では、刀伊の入寇事件の背景から撃退、戦後処理までを紹介。さらに活躍した武者たちや当時の朝廷の対応までを徹底解説します。
【監修】
関 幸彦(せき ゆきひこ)
1952年生まれ。学習院大学大学院博士課程満期退学。元日本大学教授。専門分野は日本中世史。主な著書に『刀伊の入寇 平安時代、最大の対外危機』(中央公論新社)、『武士の誕生』『英雄伝説の日本史』(ともに講談社)、『武家か天皇か 中世の選択』『藤原道長と紫式部 「貴族道」と「女房」の平安王朝』(ともに朝日新聞出版)、『敗者たちの中世争乱』(吉川弘文館)などがある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
活字の旅遊人
30
監修の関幸彦先生が書いた中公新書を読もうと思っていたところ、書店でこのMOOKを見つけて購入した。「光る君へ」の影響は凄いな。自分自身もなんとなく記憶の片隅にしか残っていなかった歴史ワードにここまで注目するとは。藤原隆家の個人ヒストリーはなかなか面白そうだな。それにしても日本はやはり、常に外からの侵入(寇)者と対峙しなきゃいけなかったんだよね。「平安」時代だって例外ではなく、むしろどう国内に情報を還元するかに腐心せねばならない感じだね。それにしても、この時も強風が吹いたのだと……。2025/04/14