出版社内容情報
裁判にかけられた少女を救うため
魔女の不在を証明せよ!
(あらすじ)
16世紀の神聖ローマ帝国。法学の元大学教授のローゼンは旅の道中、ある村で魔女裁判に遭遇する。
水車小屋の管理人を魔術で殺したとして告発されていたのは少女・アン。法学者としてアンを審問し、その無罪を信じたローゼンは、村の領主に申し出て事件の捜査を始めるが――。
魔女の存在が信じられていた社会を舞台に、法学者の青年が論理的に魔女裁判に挑むリーガルミステリー!
内容説明
16世紀の神聖ローマ帝国。法学の元大学教授のローゼンは旅の途中、ある村で魔女裁判に遭遇する。水車小屋の管理人を魔術で殺したとして告発されていたのは少女・アン。法学者としてアンを審問し、その無罪を信じたローゼンは、村の領主に申し出て事件の捜査を始めるが―。魔女の存在が信じられていた社会を舞台に、法学者の青年が論理的に魔女裁判に挑むリーガルミステリー!
著者等紹介
君野新汰[キミノアラタ]
富山県生まれ。精神科医。第23回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として本作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
20
表紙から異世界ものかと思ったが、魔女裁判と時代背景をちゃんと調べたリアル寄りの作品。村人から疑いをかけられ、拷問して自白をとっちゃえばOKという理不尽極まりない魔女裁判を論理でどうひっくり返すのかと興味がひかれ、テンポも展開も早くてかなり読みやすい。探偵役であるローゼンが感情に振り回され短慮に動いているので不満が溜まり、名探偵が最後まで推理を披露しないのに利があったと納得。この村だから成立する犯人当てロジックは物足りなく思っていたら、それまでの路線をひっくるめてのどんでん返しがやりたかったのね。2025/06/11
ツバサ
15
最初から最後まで惹かれました。魔女裁判の無謀な状況からいかに無罪まで持っていくかが読みどころだが、一筋縄にはいかないから中々突破出来ない歯痒さから解き放たれるのは最高だが、その先に… 登場人物が背負っている業は重いがそれが良い。是非シリーズ化して欲しい。最期まで読みたい気持ちになった。2025/06/07
ほたる
12
面白かった。魔女であるからというその理由だけで疑いがかけられる不利な状況から論理で解決に導いていく。登場人物たちの魔女に対するその心理的な状態を上手いこと応用して犯人特定に至るところが良かった。物語のミステリとしても綺麗に流れていって十分楽しかった。2025/06/07
ドットジェピー
8
面白かったです2025/06/04
鳩羽
7
16世紀の神聖ローマ帝国、元大学教授のローゼンは訳あって少女リリと旅をしていた。たまたま訪れた村で行われようとしていた魔女裁判を見過ごすことができず、ローゼンは被告のアンを救うべく、魔女の仕業ではないという方が論理的であることを証明しようとするが、村人は聞く耳を持たず…。魔女裁判という結論ありきの裁判をどうひっくり返すかなので、伏線というより設定感が強く、大きな謎も隠しきれていない感じがあった。会話ゲームのようなテンポの良さと、領主や師匠の謎のキャラ立ちが面白い。モブ村人が一番人間らしく生き生きしていた。2025/06/10