出版社内容情報
裁判にかけられた少女を救うため
魔女の不在を証明せよ!
(あらすじ)
16世紀の神聖ローマ帝国。法学の元大学教授のローゼンは旅の道中、ある村で魔女裁判に遭遇する。
水車小屋の管理人を魔術で殺したとして告発されていたのは少女・アン。法学者としてアンを審問し、その無罪を信じたローゼンは、村の領主に申し出て事件の捜査を始めるが――。
魔女の存在が信じられていた社会を舞台に、法学者の青年が論理的に魔女裁判に挑むリーガルミステリー!
内容説明
16世紀の神聖ローマ帝国。法学の元大学教授のローゼンは旅の途中、ある村で魔女裁判に遭遇する。水車小屋の管理人を魔術で殺したとして告発されていたのは少女・アン。法学者としてアンを審問し、その無罪を信じたローゼンは、村の領主に申し出て事件の捜査を始めるが―。魔女の存在が信じられていた社会を舞台に、法学者の青年が論理的に魔女裁判に挑むリーガルミステリー!
著者等紹介
君野新汰[キミノアラタ]
富山県生まれ。精神科医。第23回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として本作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
151
面白くなくはないはずなのだが、前半は睡魔との闘いで半醒半睡で読んでおり、なので正確に読めていたのかはなはだ自信がない。魔女裁判が実際行われていた時代と場所において、被告の魔女の弁護をしないといけなくなったとしたら、という話。面白くなくはないんだけど、かと言って…多分、記憶には残らないだろうなあ。2025/08/01
楽
41
25年6月。読書メーターの献本応募でいただいた一冊。当たるときは当たります。ありがとうございます。本作品は第23回『このミス』大賞の最終候補作。賞の「隠し玉」として出版された。16世紀の神聖ローマ帝国が舞台なのだが、魔女裁判で死刑になろうかというのに村人や主人公たちに緊張感が薄いというか伝わってこないというか、なんとも盛り上がらない展開が続く。宗教や信仰の前で論理的な推理が通用するのか歯がゆいところもあるのだが、中盤から最後までは一気読みで、最終候補に選ばれただけのことはある。ネタバレになるのでここまで。2025/08/03
geshi
27
表紙から異世界ものかと思ったが、魔女裁判と時代背景をちゃんと調べたリアル寄りの作品。村人から疑いをかけられ、拷問して自白をとっちゃえばOKという理不尽極まりない魔女裁判を論理でどうひっくり返すのかと興味がひかれ、テンポも展開も早くてかなり読みやすい。探偵役であるローゼンが感情に振り回され短慮に動いているので不満が溜まり、名探偵が最後まで推理を披露しないのに利があったと納得。この村だから成立する犯人当てロジックは物足りなく思っていたら、それまでの路線をひっくるめてのどんでん返しがやりたかったのね。2025/06/11
MINA
25
ほほう、そうくるか。と新感覚の驚きに満ち溢れていた。非合理極まりなく思考停止で盲信の産物である魔女裁判に、論理で対抗せんとする無謀な試みを実行に移す元大学教授で旅人のローゼン。箒に乗って飛びされば…と魔術を持ち出されば何でもありにならんところを、光明を見出して論理的に弁明していく姿には感心させられた。そして全部見事に解決した後、それまで全てを白紙に戻すかのような終盤きは圧倒された。ただまぁ、プロローグが釈然としない。魔女になるまでの経緯を自白しているけど、どこか誇張されてて真実なのか思い込みなのか不明だ。2025/06/27
まろん
24
魔女裁判が横行する村で魔女の嫌疑をかけられた女性を、裁判で論理的に救おうとする物語。現代であれば科学の証明でいくらでも解決が出来そうな内容なのに、「皆が魔女だと思ったら魔女だ」というなんとも理不尽で一切の理屈が通らない村人たちに苦戦する主人公。どう突破するのかと不思議に思いきや、そっちか!新感覚のミステリーという感じで楽しめたけれども、私は本格ミステリーがやはり好きだとも思った。つまみ食いくらいで読むにはちょうどいいかも。2025/06/26