出版社内容情報
“美しい”だけでは伝わらない。“機能的”だけでは足りない。
空間が人の心を動かす理由を、感性と科学の両面から検証する
長い通路を抜けたあと、視界が広がるあのなんとも言えない気持ちよさ。
カーテンの色ひとつで空間の印象が一変する不思議さ。
木のぬくもりや素材の感触に、ふと心が和らぐ瞬間――。
様々な空間を訪れた時、「なんかいい」と感じることはありませんか?
本書は、博覧会や商業施設、オフィスなど多様な空間づくりを130年以上手掛けてきた乃村工藝社が、「空間における歓びと感動とは何か」という根源的な問いに挑む新しい研究の記録です。空間に宿る力が、どのように人の感情や行動、記憶、持続的な満足につながるのかを明らかにするために、「人についての研究」「空間についての研究」「人と空間の相互作用」という3つの軸から、科学的・学術的なアプローチで探究をしています。
感動のメカニズム、空間での感情の変化、床の質感が人の意識に与える影響、うるさくも静かでもない最適な音環境、木材の特性など。多彩な研究を通して見えてくるのは、空間の無限の可能性です。空間づくりに携わる人、そして空間を利用する人に伝えたい、新たな視点と創造のヒントが詰まった一冊です。
【目次】
内容説明
“美しい”だけでは伝わらない。“機能的”だけでは足りない。空間が人の心を動かす理由を、感性と科学の両面から検証する―幾多のクリエイターが積み重ねてきた経験知が照らす「歓びと感動」探究の旅。
目次
1 感動を生み出す空間とは
2 感動は測れるのか(感動プロファイリング―感動はどのように定義できるか;空間の新しいものさし―感動と空間の関係を科学的に捉える)
3 交差する空間と感覚(床面と認知―空間における床の踏み心地と心の関係性とは;音環境―ちょうどよい賑やかさを生む音環境;木の特質―素材がもたらす感動とは?)
4 歓びと感動学、歩みとその先へ(Discussion 「歓びと感動学」リーダー座談会 ひとりでも多くの人に歓びと感動を;5つの入り口から見えてきた新しい視点)