出版社内容情報
みずほ銀行で2021年2月からの12カ月間に11回ものシステム障害が発生した。2002年、2011年と大規模システム障害を起こし、それを反省して2019年までに勘定系システムを全面刷新したみずほ銀行だったが、トラブルは繰り返された。
システム障害はなぜ起きたのか。みずほ銀行ではなぜシステム障害が繰り返されるのか。
本書は、IT専門誌である日経コンピュータの記者がみずほ銀行の失敗とその原因を綿密な取材を通して追究した一冊だ。原書は2022年3月に発行した『ポストモーテム みずほ銀行システム障害事後検証報告』(日経BP)だが、みずほ銀行による2023年までの対応の経過を新章として加えた。
内容説明
みずほ銀行で2021年2月からの12カ月間に、11回ものシステム障害が発生した。同行は2002年、2011年にも大規模システム障害を起こしており、それを反省して2019年までに勘定系システムを全面刷新した。それでもなぜトラブルは繰り返されたのか。情報システムの専門誌「日経コンピュータ」が、トラブルの真相と教訓を分析する。
目次
第1章 前代未聞、12カ月で11回のシステム障害
第2章 行内で何が起きたのか、システム障害の真相
第3章 なぜ障害は拡大した、15個の疑問点
第4章 金融庁が分析する「原因」「背景」「真因」
第5章 障害を繰り返すみずほ銀行のシステム、その歴史を紐解く
第6章 なぜみずほ銀行でだけ、何度も障害が起きるのか
第7章 みずほ銀行は立ち直れるのか
第8章 「4度目の正直」はなるか
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Miyako Hongo
5
玉ヒュン本。技術屋なら読んでて腹が冷えること間違いなし□一番キたのが3月12日、ディスク障害で機材交換を行った日立技術員のところ。夜中にサーバのディスク交換。手順書なし。悪戦苦闘しても動かない。サーバ側に問題があるんじゃと思い至ったのが午前4時。サーバ再起動で通信復旧したけれどバッチ処理が終了できず翌日は大混乱。――この現場の日立の保守要員の立場に居たらと思うと口からエクトプラズム吐く□人間はミスをする。それをカバーするために組織があり仕組みがある。それが上手く動かないとこういう悲惨な事になる。自戒。2024/06/30
px-7
1
障害について詳しく記載があり読みやすかった。難しいかもしれないが、みずほ銀行の風土についてもっと踏み込んだ内容になっていると良かった。 どちらか1冊を選ぶとしたら苦闘の19年史をオススメしたい2025/02/02
Satochan
1
2021年に発生したみずほ銀行のシステム障害に関する事後検証報告書。日経コンビュータの著作なので、技術寄りの内容多め。但し金融庁宛の改善報告書をベースに書いてあるので、経営・組織・体制面も含めて包括的ではある。よって色んな目線でこの事故を振り返ることができるのだが、システム運営部門担当者目線で読むのは相当に辛い。利用者目線で見ると相当に腹立たしい。経営者目線で見ると難しい。。とお腹いっぱいになる作品。まぁ、システムって動かなくなると大変なんだよね。くらいの感想にしておくのが精神衛生上良いかもしれない。2024/08/19
Sosseki
1
この間読んだみずほ銀行員の本に刺激されて、読んでみた。「勘定システム」「インデックスファイル」「みずほコーポレート銀行」と言われてもピンとこない金融音痴、IT音痴、みずほ音痴で、よくわかっていないのだろうが、面白かった。障害がいかに大規模であったか、対応がいかにまずかったか、改めて知る。失敗を経て社風は変わったのか?2024/08/18