出版社内容情報
世界の半導体基地であり地政学的な戦略的要所である「台湾」。今後の覇権を巡って火花を散らす米中が軍事的に衝突するとすれば、この地を巡ってであろう。この衝突を引き起こさないために、台湾はどのように立ち回るべきか。この戦略を考える上で重要となるのが「チェーンパワー」だと著者は説く。世界最大のファウンドリーである台湾積体電路製造(TSMC)を中心とする半導体サプライチェーンや、日本から台湾、フィリピン、インドネシアまで至る第一列島線(列島チェーン)の防衛力、民主主義という西側諸国の価値観のチェーンの総体である。これらのチェーンを今後、いっそう強固にすることが台湾を守り、ひいては世界的災禍を避けることができるとする。
本書では、地政学の歴史や変遷、日本をはじめとする東アジアの安全保障状況、2040年の地政学的状況予測などから、米中などの他国によって進路を決められる戦略ではなく、台湾が独自に取り得る戦略を導き出す。米中対立、台湾情勢を巡る日本の現在の立ち位置に新たな視点を与える1冊となっている。
内容説明
米中対立のはざまをどう生き残るのか。
目次
序文 チェーンパワーが決める新世界秩序
第1部 半導体とチェーンパワー(現代の地政学的戦略;半導体を制するものが世界を制する;台湾における三位一体の「チェーンパワー」;東アジア地政学の政治的誘惑)
第2部 グローバル化と半球化(グローバル化は終わり、半球化が進むのか?;グローバリゼーションの列車に乗る東アジア諸国;三位一体の新たな地理的観点;半球化の下での戟略的選択肢)
第3部 米ソ冷戦後と現在の冷戦(東アジアの現在の冷戦構造;「中国リスク」対「台湾リスク」;2040年のグローバルな地政学はどうなるか;地政学的な「オリエンタリズム」を超えて)
結び 2040年は繁栄の時代か、それとも制御不能の時代か
著者等紹介
李世暉[リセイキ]
台湾・政治大学国際事務学院日本研究学科教授/台湾日本研究院理事長。京都大学大学院経済学研究科博士。慶應義塾大学SFC研究所上席所員、同大学政策メディア研究科特別招聘教授、台湾立法院「半導体戦略国会議員連盟」顧問などを歴任。専門分野は、日本の経済安全保障、日本科学技術政策、日本外交。2021年、台湾初の日本研究シンクタンク「台湾日本研究院」の設立に着手し、創立理事長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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