出版社内容情報
日本は長寿企業大国。真に実力のある長寿企業は常に進化を続けている。本書は、進化企業トップ50社(PBR>2、伝統企業12社、新興企業38社)を分析し、5つの「型」(オクトパス型、ピボット型、クロス型、デコン型、井戸掘り型)に分類。進化経営の7つのカギを明らかにし、日本企業の次世代進化の必要な条件を問うもの。
業態転換成功企業の5つの型は以下の通り。
①オクトバス型(例:島津製作所)
複数の事業(タコ足)の太さを変え、時代に合わせて組み替えていく。むやみに足を増やさず、新陳代謝に取り組む視点が必要
②ピボット型(例:スクリーン)
バスケットボールの足さばきのように、軸足に当たる事業を固定し、もう一方の足を動かしながら多角化を進める。パーパス(存在意義)を意識することで軸足がより強固に
③クロス型(例:味の素)
異なる事業を掛け合わせ(=クロスオーバー)、相乗効果を引き出す。研究開発の蓄積など自社の強みを見極めることで、新たな事業を生み出せる
④デコン(脱構築)型(例:ロート製薬)
器より中身、事業の本質は変えず、時代背景や成長ステージに応じて新たな技術やツールを取り入れる
⑤井戸掘り型(一意専心)(例:ポーラ)
進化の王道。顧客へのおもねりを排し、顧客を先導する
内容説明
これこそが日本企業に必要な経営だ。日本の上場企業をみるとPBR2倍を超える長寿企業が少なくない。本書では、そのような企業を独自のフィルターにかけ、超進化企業トップ50社としてランキング。そのうえで、島津製作所、SCREEN、味の素、ロート製薬、ポーラなど創立100年を超える長寿企業に焦点を当てて、企業進化のパターンを5つに類型化。それぞれの類型の「失敗と成功の法則」を導き出す。
目次
序章 進化経営とは
第1章 頭足(オクト)型 多角化の功罪と新陳代謝
第2章 軸旋回(ピボット)型 ずらしの達人
第3章 異結合(クロス)型 イノベーションの実験場
第4章 脱構築(デコン)型 若返りの名手
第5章 深耕(カルト)型 足もとに泉湧く
第6章 超進化経営の法則
終章 日本企業の次世代進化
著者等紹介
名和高司[ナワタカシ]
京都先端科学大学教授、一橋大学ビジネススクール客員教授。東京大学法学部、ハーバード・ビジネススクール卒業(ベーカースカラー授与)。三菱商事を経て、マッキンゼーで約20年間勤務。同社のディレクターとして、自動車・製造業プラクティスのアジア地区ヘッド、デジタル分野の日本支社ヘッドなどを歴任。2010年一橋大学ビジネススクール特任教授、現在、同客員教授。2021年京都先端科学大学ビジネススクール客員教授に就任、2022年4月より同教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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