百夜―小説小野小町

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百夜―小説小野小町

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  • サイズ 46判/ページ数 384p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784296118021
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

2020年の新型コロナ禍による緊急事態宣言中に刊行し、大きな反響を呼んだ『小説伊勢物語 業平』。泉鏡花文学賞と毎日芸術賞をW受賞した「日本の美の源流をたどる」小説として、次に紡がれたのは、同じく平安時代の「六歌仙」のひとり、優れた歌の才に加えて、絶世の美女としても数々の伝説が残る小野小町の一代記である。本作も『業平』に続き、日本画家・大野俊明氏のカラー挿絵が「みやび」の世界に色を添える。

能楽の演目でも重くあつかわれる観阿弥作「卒塔婆小町」が元にしたとされる伝説「百夜(ももよ)通い」。小町を恋する男に、百夜通ってくれば共寝してもいいと無理難題をつきつける。男は通いつづけ、百夜目に悲劇的な死に見舞われる。思いが叶わなかった男の恨みはやがて小町の身の上に残され、惨めに老いさらばえる――小町はなぜこのような姿に描かれ後世に伝えられねばならなかったのか。古今和歌集と後撰集に残された数少ない小野小町の実作とされる和歌をより深く翫味すれば、そこに隠された本当の小町の姿が立ち現れてくる。

小町の歌の世界はけして甘美ではない。しかし、「日本の美の源流」が「もののあはれ」、哀れから来るとなぜ言われてきたのか。五感を研ぎ澄まして、この小説の音律に身を委ね、時に声に出して読んでいけば、読後にかつて経験したことのない深い感動が待っている。「もののあはれ」が体感できる小説と言っても過言ではないだろう。

内容説明

千年の時を経ても語り継がれる「小町」の名。実作と伝わる和歌を拠り所に謎多き生涯を小説に紡ぎ、この女性歌人を数多の小町伝説から放き放つ。「百夜通い」とははたして―平安女流文学の原点がここにある。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

209
高樹 のぶ子は、新作中心に読んでいる作家です。『業平』に続く第二弾、小野小町は知っていますが、彼女の物語は初読となります。千年の美女零落の物語、雅で幽玄な世界を堪能しました。「百夜」通う情愛の凄さに驚愕です。特に小野小町&在原業平の和歌の遣り取りのシーンは見事でした。しかし小野小町の母親が、小野大町だとは思いませんでした(笑)https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/23/04/11/00768/2023/06/06

ちゃちゃ

115
容姿端麗にして歌の才に優れ、六歌仙に唯一女性として選ばれた小野小町。その謎めいた生涯を、和歌を中心に据えて、流麗な雅文体の筆が追う。小町は幼くして鄙の地出羽を離れ出仕する。彼女の人生を決定づけた二つの“一夜”。兄と慕っった叔父良実の裏切り行為は、小町の心に深い傷を残す。一方、帝臣の宗貞(後の遍昭)への秘めた恋が叶った逢瀬は、熾火の如く胸に残り彼女のままならぬ生を支えた。小町を世に流布するイメージから解き放ち、後世に残る秀歌を詠んだ“心強き女性”として描いた髙樹氏。その気概と手腕に惜しみない拍手を贈りたい2023/09/02

アキ

111
「業平」に続く雅文調の文章は読みづらいが、六歌仙に選ばれるただ一人の女性歌人の謎に包まれた生涯を堪能させていただきました。観阿弥の能楽で有名な百夜通いを男社会の中で造られた美女零落の物語とし、小野小町の実作と信じられる古今和歌集の十八首を中心に、平安時代の歴史を背景にした歴史絵巻とも読める物語。一気に読めました。在原業平も登場し、仁明帝の侍従・宗貞への恋慕、幼くして多賀城で生き別れた母・大町、一夜限りの逢瀬の小野良実、遍昭の死後託された文を知り、「うたたねに恋しき人を見てしより夢てふものはたのみそめてき」2023/06/14

がらくたどん

73
前作『業平』以上に伝説的人物の従前イメージを塗り替える意欲作。参議篁の縁者とも言われる六歌仙のひとり。正確な生涯は不明なのに伝説は全盛期の男性を惑わせる才媛振りから晩年の醜態零落に捩じれ歪んだ「美女零落」的因果応報の刻印を後世に遺す。江戸時代には「小町針」という無礼千万な俗説まで流布された。男性目線で色と欲に脚色された小町像を典雅な文章に乗せて地方から都に連れて来られ英才教育を受けた利発で芯の強い少女の母恋・望郷物語に仕立て直す。「母上、かならず戻り参ります」不自由の枷に涙を堪えての初志貫徹、ご覧あれ♪2024/01/05

たま

71
小野小町と言えば謡曲由来の先入観で【美女→驕慢→老醜】と連想してしまうが、この小町は雪深い雄勝で生まれ、都へ出ても物慣れず、生き別れた母を恋う賢い少女。人物がしっかり造型され、有名和歌が巧みに織り込まれ、装幀と挿絵も美しい。小町は篁の娘(孫ではなく)との設定で、篁の六道の辻も触れられるが、篁の流罪など政治の駆け引きがあっさりでその点はやや物足りなかった。百人一首の歌人が続々登場するのも面白く、業平も顔を出す。それにしても会う男みな意味ありげな和歌を寄越すのは、美人は得と言うべきか、鬱陶しいと言うべきか…2023/07/12

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