ふりさけ見れば〈下巻〉

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ふりさけ見れば〈下巻〉

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  • サイズ 46判/ページ数 460p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784296117499
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

遣唐使は日本の朝廷からどのような命を受けて派遣され、中国で何をしていたのか――
2012年の直木賞受賞作『等伯』に続く、安部龍太郎氏の日本経済新聞連載小説は、対外的に「国家」としての土台を築き上げた8世紀・奈良時代の日本を、ユーラシア大陸・東アジアの中に位置づけて描いたスケールの大きな作品。安部氏の新たな代表作といっても過言ではない。

日本とユーラシアを結びつけるのは、唐で科挙に合格し玄宗皇帝の側近にまで出世したたぐいまれなる日本人・阿倍仲麻呂、そして仲麻呂とともに唐に渡り当時の大唐帝国のすぐれた文化・政治制度を内政に移植した学者にして政治家の吉備真備。唐からは、玄宗皇帝と楊貴妃、安史の乱を起こした安禄山、大詩人の李白や杜甫など、日本でも多くの逸話が知られる人物が続々と登場する。ついに帰国できなかった阿倍仲麻呂が日本の朝廷から帯びていた重大な密命とははたして……

唐の宮廷では周辺の遊牧騎馬民族国家との間の摩擦により、また日本の朝廷では壬申の乱や白村江の敗戦以来の皇統の対立により、どちらの国にも常に一触即発の権謀術数がうごめく。国や民族を越えて複雑に利害がからみあった権力闘争は時に内乱を引き起こし、昨日の友はきょうの敵となる。

タイトルは古今和歌集にとられ百人一首でもおなじみの「天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山にいでし月かも」から。この和歌のたおやかで優美なイメージで阿倍仲麻呂と遣唐使を捉えるとさにあらず。謀略に次ぐ謀略、007のジェームス・ボンドばりのスパイアクション映画を思わせる息もつかせぬ展開に、一度手に取ると、上下巻900ページも一気読み必至である。

当時、吉備真備らが持ち込み移植した律令制度はその後いまに続く日本の法律の中に色濃く残る。日本の皇室の儀礼にもこの頃移植したものが少なからず存在し、鑑真和上の招聘による仏教の興隆など、「国家」としての土台はまさにこの頃に築かれたものである。チベット、新疆ウイグルなどとの中国の緊張関係は1300年前から連綿と存在していた。日本と中国の関係、日本と朝鮮半島の関係、中国と朝鮮半島の関係は古代から幾多の戦乱を経て、連綿と今に続くものである。歴史時代区分としては日本の古代を描いた小説ではあるが、ここが「東アジアの中の日本」の視座の原点かもしれない。

内容説明

阿倍仲麻呂はなぜ、日本に帰らなかったのか。玄宗皇帝と楊貴妃に近侍する高級官僚・仲麻呂は、日本の朝廷の密命を帯びていた。唐を揺るがす動乱が、彼の運命を翻弄する。ユーラシアから日本を見る、壮大なスケールで日中関係の淵源に迫る!

著者等紹介

安部龍太郎[アベリュウタロウ]
1955年福岡県生れ。久留米高専卒。90年『血の日本史』でデビュー。2005年『天馬、翔ける』で中山義秀文学賞。13年、日本経済新聞連載の『等伯』で直木賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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starbro

176
上下巻、900頁強、完読しました。当時の世界の先進国 唐で最難関の科挙に合格し、玄宗皇帝の側近にまで出世したたぐい稀なる日本人・阿倍 仲麻呂、現代で言えば、大谷 翔平のような存在、スーパースターだったに違いありません。「天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出でし月かも」スポットで入ってくる濡れ場のシーンは、日経新聞読者のためのサービスでしょうか(笑) https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/23/06/08/00860/2023/08/05

パトラッシュ

128
(承前)理想の政治を求める仲麻呂と真備の苦闘は、海を挟んだ日唐両国で続く。権力者の奇怪な思惑に振り回され、一歩前進二歩後退を強いられ続けながら、二人とも決してあきらめない。ようやく目的を達して二度目の遣唐使で来た真備と帰途に就いた仲麻呂が、自分の努力は無駄と悟って愕然とする場面はスパイの悲哀を強く描き出す。再び別れた彼らが念願を果たせたのは、皮肉にも安史の乱と恵美押勝の乱という権力構造の大変革を生き抜けた故だった。政治と諜報と友情の絡む半世紀に及ぶドラマは、朝廷の秘庫と楊貴妃渡来伝説にすべて収斂したのだ。2023/10/08

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

71
(2024-66)【図書館本】帝からの密命を受け、用間(スパイ)として唐に残った仲麻呂。目的を果たす為にただひたすらの忍従、屈服、自己韜晦。任務の為になりふり構わず唐国での出世を目指し、最愛の妻子をも見捨てることになる。単に奈良時代の歌人、遣唐使として科挙にも合格した俊英とだけしか認識していなかった阿倍仲麻呂の人生を、史実を土台にしながらこんなにも波瀾万丈な小説に仕立てるとは!面白かったです。★★★★2024/05/15

kawa

32
日経新聞掲載時読了。20ヶ月に及ぶ長期連載、しかもやや苦手の古代、中国ものながら毎朝楽しみに読むことが出来た。機会があれば再読も。現在、新聞小説6本追っかけ中。2023/07/06

のぶのぶ

28
 阿倍仲麻呂、吉備真備、鑑真、楊貴妃など、教科書には、簡単に書いてあるが、ストーリーで読むと、壮大なつながりがありそう。いろいろな思いがあって歴史が作られているのが分かる。魏略38巻は、本物がどこかにないだろうか。日本、天皇の始まりがわかることだろう。阿倍仲麻呂は日本だけでなく唐も救っていたことも分かる。それにしても、後継者争いは、どこでも問題があるものだなあと感じる。文字があり、記録が残っていることは、唐(中国)はすごいもの。歴史もいろいろ知ることでつながっていく。思い切って上下巻の本を買って良かった。2023/11/12

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