内容説明
江戸ではいくら?時代劇や時代小説、あるいは古典落語。江戸を舞台にするストーリーを目や耳にすると、江戸っ子たちは何にいくらお金をかけて暮らしていたのだろうかと思うことがある。「長屋の家賃」「寺子屋の学費」といった生活費から、「屋台のそば」「居酒屋の飲み代」のような食費に、「相撲の入場料」「吉原通い」などの娯楽費…。本書は、江戸の物価を現代の貨幣価値に換算することで江戸時代の人々の懐事情を探るものである。
目次
序章 江戸時代のお金
第1章 江戸のお勘定“生活篇”
第2章 江戸のお勘定“食事篇”
第3章 江戸のお勘定“娯楽篇”
第4章 江戸のお勘定“意外篇”
第5章 江戸のお勘定“再生篇”
著者等紹介
大石学[オオイシマナブ]
東京学芸大学名誉教授。1953年、東京都に生まれる。1978年、東京学芸大学大学院修士課程修了、1982年、筑波大学大学院博士課程単位取得退学。徳川林政史研究所研究員、日本学術振興会奨励研究員、同特別研究員、名城大学助教授。2009年、時代考証学会を設立、現在、同会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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zag2
25
江戸時代の物の値段ってどの位だったんだろう、というのを衣食住様々なものについてまとめた本。私も以前、団子一串の値段から一文が25円から50円くらいかと想定したことがありましたが、本書では蕎麦の値段から一文を30円としています。これをもとに文化文政期の諸物価を換算しているのですが、例えば長屋の家賃が月2万4千円ほどとなる一方で、カツオ一本が7千5百円くらいと、けっこうな値段だったり、卵が1個6百円ほどであるなど「ほー」とか「へー」とか思いつつ読みました。これで落語が一段と面白く聞けるかも知れません。2022/03/16
Sakura
16
江戸時代あたりの時代物小説は好きなので、たまにこういった本を読んで、当時の物の相場を知る・確認するのは役に立ちます。家賃は現代と比べると格段に安かったなあとか、枝豆や卵はずいぶん高いなあとか、花魁遊びと岡場所遊びの金額の差とか、排せつ物の買取料とか!2023/05/20
森の猫
7
蕎麦一杯の値段など、江戸の暮らしで いろいろな値段が細かく載っていて 時代小説を読んでいて感じる物価について 面白かったです。 お大尽というのは 本当に桁が違う大金持ちなんだなぁ…と面白かったです。2021/10/31
遊未
4
生活、食事、娯楽、リサイクル等生活費がわかりますが、考えていたより高い!二八蕎麦(480円)とか時代劇で気楽に食べてるからもっと安いかと。とにかく衣食住のため。宵越しの金は持たないではなく残らないと納得。それにしても、あまりに現金収入減り続け、物価上がり続く時代に読んでしまったかもしれません。2023/08/23
Teo
4
一つ前に書評を書いたのはクラシック作曲家のギャラを現代の貨幣価値で見た物だったが、こちらは江戸時代の江戸っ子の暮らしを現代の貨幣価値で見た物。江戸っ子と言う庶民を基準にして生活にどれだけかかったかだが、今の低年収での生活とはやはり違う。物価が高いのだ。他に使い途が無いのでほぼ全力で衣食住だけに使う訳だがその単価が高い。二八そばも結構な値段だ。やはり産業化されていないので単価が高い。当時の庶民が消費していた物だけを現代で消費したらかなり少ない生活費になるが、そうは行かないのが社会が発展した結果だろう。2021/11/12