内容説明
西暦234年、五丈原の戦いで稀代の軍師・孔明が没し、数々の英雄たちに彩られた「三国志」は終焉する。しかし蜀魏呉の覇権争いには、新たなステージが待っていた。老将・仲達が徐々に権力を掌握してゆく魏、対して、孔明の遺命を受けた姜維が蜀を支え、呉とともに北伐を重ねる。激動の世紀の先に、平和な世は訪れるのか。
著者等紹介
内田重久[ウチダシゲヒサ]
1934年北海道旭川市生まれ。東北大学法学部卒業。少年時代からの「三国志」ファンで、化学繊維メーカーや富士通など会社勤めの傍ら、主に三国志の末期部分に着目し研究を進める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maito/まいと
19
分厚い文庫本から上下巻になった、その後の三国志の物語。以前はなんとなく乱丁っぽい配置のバランスもきちんと改善され、文字も大きくなって(?)読みやすくなった。改めて読むと孔明亡き後の、この世界は華がないなあ。三国志という物語が五丈原で終わる理由が頷ける、個の力で世が変わるかもしれない、という可能性の雰囲気は消え、組織の力・総合力の時代に入っていることを実感する。そして雰囲気が落ち着いていき、魏は内部に爆弾を抱え、蜀は停滞、衰退への道を進む。自分だったらどの国に住みたいだろうか、そんなことを考えながら下巻へ。2015/09/24
ようはん
18
ダイジェストで語られがちな孔明死後の三国志のストーリーを詳しく描いている作品。設定が正史と演義で入り乱れているがマイナーで複雑な所があった三国志後期の推移が分かりやすく当時の社会情勢や文化を解説しているのも良い。2021/01/24
サチオ
16
三国志に興味を持った人が一度は思うであろう「諸葛孔明」以後の世界が何故描かれないのか。ついに見つけたその先が書かれた本。初めて三国どの国でもなく「晋」が統一を果たしたと知った時の衝撃はいかばかりであったか…学生の頃を思い出しながら読んでます。当時の風土や流行、軍制や組織の違い等細やかな所も嬉しい。著者が別に本職をお持ちの方と知り、人生をも左右させる三国志の魅力を改めて思い知った。下巻も楽しみです。2014/09/29
誰かのプリン
14
孔明から教えを受けた姜維は、魏の司馬懿や呉の陸遜程の実力はなかったんだなぁ。 2020/10/10
Mzo
13
なかなか少ない五丈原後の三国志。非常に丁寧な説明とよみやすい文章に好感。歴史小説というよりはエッセイとか解説本の方に近い気もしますが、面白ければすべてよし。ところで「はじめに」で吉川英治の『三国志』の「篇外余録」に触れられていますが、新装版(全5巻)の方では何故かこれがカットされています。(編集者の愚行としか私には思えない。) 短いながらもなかなか味わい深い文章なので、今後吉川三国志を読まれる皆様には是非「吉川英治歴史文庫」版(全8巻)の方を読まれることをオススメします。2012/03/07
-
- 和書
- ディジタル通信網入門