内容説明
近代市民社会の中で、楽譜はどのような歴史的経過をたどって商品化していったか。印刷技術の進歩と楽譜の需要とが複雑に関わりあいながら、販売体制ができ楽譜出版社は成立していったが、大量消費と音楽の価値は必らずしも重なり合うものではなくなっていった。
目次
序章 楽譜出版とは何か
第1章 一八世紀までの楽譜出版活動の概観
第2章 一八世紀における楽譜出版の諸相
第3章 楽譜出版社の活動
終章 楽譜出版の意味
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
1959のコールマン
15
☆4。昔から音楽業界って色々と大変なのね、ということが十分すぎる程分かった内容。印刷技術が発達していない頃には、カタログを作って注文をとり、雇っていた大量のコピストをつかって筆写楽譜を作らせたりしていた。その後印刷技術が発達すると今度は盗作、贋作、海賊版、作曲者名が入れ替わる・・・って今もあったよね。偽作曲家。クラシックとはいえ、楽譜業者としては飯の種に過ぎないわけだから平気でおかしな事をするわけだ。多少減点なのは、文章がちょっと単調で、面白みに欠けるところ。この題材ならば色々出来ただろうに。惜しい!2019/06/10
かみのけモツレク
0
そのときの社会がどうなっているかが楽譜から読み取れるという話2017/02/24