出版社内容情報
昭和~平成に150巻を超えるラインナップを擁した、ON BOOKSの名を冠す第3の新シリーズの4弾。各曲をしっかり聴こうと思っている人向けに1冊で1曲を扱い、「総論、著者が語る楽曲の魅力」「楽曲解説」「演奏史・録音史・名盤」の3部構成をとります。
本書《冬の旅》は、作曲当時の時代背景や人の苦悩を現代と重ね合わせ、人間の孤独とその救いを描きながら楽曲の魅力を伝える1章、平易な言葉で各曲の内容と聴きどころをわかりやすく解説する2章、男声・女声・編曲・映像の4篇別に、時代を映す鏡となる演奏の変遷を語る3章からなります。シリーズの機能要素を持ちつつ、1つの文学作品とも言える圧巻の1冊です。
内容説明
作曲当時と現代の苦悩が交錯する。今こそ聴きたい孤独と救いのモノローグ!楽曲の魅力、楽曲解説、演奏史・録音史・名盤の3部構成で“冬の旅”をきわめる!
目次
第1章 冬の黙示録―ウィンター・ジャーニー・イン・ブルー
第2章 曲目解説―24の音画
第3章 “冬の旅”の録音・演奏史―フットプリント・オブ・グレート・ジャーニー(男声篇;女声篇;編曲篇;映像篇)
著者等紹介
喜多尾道冬[キタオミチフユ]
1936年和歌山県生まれ。東京大学大学院修士卒。ドイツ文学専攻。中央大学名誉教授。芸術全般を対象とする形象研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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NyanNyanShinji
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シューベルトの『冬の旅』を丸一冊で掘り尽くした本書。値段の割には少々薄いけど、中身は濃ゆい。3部構成で、第1部は『冬の旅』全般のお話。同じくミュラーの詩による連作歌曲集として前作にあたる『水車小屋の美しい娘』との比較から『冬の旅』製作の過程を記す。本書の肝は第2部。全24曲の著者による訳詞と楽曲解説が素晴らしく、この2部だけでも¥1200でも十分にお釣りの来る内容。曲を聴きつつ訳詞を読んでて背筋に電流が走った。第3部は本曲の演奏の音源と映像の紹介。筆者の好みでない演奏についての評論は些か歯切れが悪い。2023/04/29