内容説明
友人すら次々背を向けるほどのスキャンダラスな生活の中、多くの傑作が生み出される…類い希なる才能で、フランス音楽の「近代」から「現代」への扉を開いた天才の全貌に迫る。
目次
生涯篇(作曲家への道―一八六二~八七;詩人たち~ボードレール、ヴェルレーヌ、マラルメ―一八八七~九二;ペレアスとメリザンド―一八九二~一九〇二;新しい愛とその後の生活―一九〇二~一〇;音楽への殉教―一九一〇~一八)
作品篇(声楽作品;器楽作品;劇場作品)
資料篇(ドビュッシー年譜;ジャンル別作品一覧;関連地図(パリ/ヨーロッパ)
主要参考文献)
著者等紹介
松橋麻利[マツハシマリ]
神奈川県生まれ。東京藝術大学大学院音楽学修士課程修了。東京藝術大学、関東学院大学、明治学院大学などの講師を歴任。現在獨協大学、その他の講師。専門はドビュッシーを中心に、19世紀から20世紀前半のフランス音楽。(財)全日本地域研究交流協会主催のワークショップ「数理と芸術の融合(fusion)」や東京藝術大学主催「藝大の響き―ラヴェル・プロジェクト」などで講演。日本音楽学会会員、日本フォーレ協会委員、横浜音楽文化協会幹事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takakomama
4
ドビュッシーの生涯と作品の解説、年譜と作品一覧。「フランスの歴史や建築、芸術」の社会人講座の予習に再読。2023/10/18
K
2
勉強として。ドビュッシーの生涯について、初めて読んだ(知った) 女性関係は知ってたけど、金銭面もここまでとはという驚き。最後の作品がヴァイオリンソナタ、55歳で逝去2024/03/08
ゆきだるま
2
絵画の印象派と一括りにしがちだが、本人は否定してる。初めて彼の音楽を聴いた人々は、今までの音楽と違っていいも悪いも超越した言い表せない感情を覚えただろう。実際、詩人たちや日本美術など、いろんな刺激からこんな不思議ともいえる音楽が生まれていったらしい。プライベートでは寡黙ながら頑固で、いろんなゴタゴタが起こって、幸福だったかと言えばどうかな?だけど音楽家としては型を破って新しい世界を切り開いたすごい人。私は小さいころ、「ゴリウォグのケークウォーク」をきいて、なんかいい、とドビュッシーに興味を持ったんだった。2020/09/05
hr
1
「イベリア」作曲の辺りを読む。2022/12/04
Yoshi
1
ドビュッシーは象徴主義との関連、ボードレールやヴェルレーヌ、マラルメ、ポーなどの詩人の詩を音楽にしており象徴主義芸術家として扱われるが、印象派との関連も言われるのだが実際関わってそうなのはこの中で語られていたのはターナーの絵を見たくらいで、ほとんど印象派絵画についてはさわられておらず、関連あったとしたらその時代に印象派そのものと同じ場所にいた、というその辺の話を確認できてよかった。 旋律がない、という批判にいや、あるって!と返した話は面白かった。ドビュッシーの旋律は音が細やかで、流れるように消えてしまう。2020/09/03