内容説明
聴く側では知り得ない、指揮者の個性、技量…元N響首席オーボエ奏者にして人気エッセイスト、現役指揮者でもある著者が綴った34名+約110名との思い出。
目次
1 1990年11月~1991年10月(ヴァーツラフ・ノイマン(1990年11月)
ハインツ・ワルベルク(1990年12月) ほか)
2 1991年11月~2000年10月(尾高忠明(1991年11月)
ホルスト・シュタイン(1992年4月) ほか)
3 2001年5月~2009年12月(タン・ドゥン(2001年5月)
ネルロ・サンティ(2001年11月) ほか)
4 2012年10月~2019年3月(ロリン・マゼール(2012年10月)
セバスティアン・ヴァイグレ(2013年4月) ほか)
特別編 まだまだ書きたい名指揮者たち(N響入団まで;1990年~2000年 ほか)
著者等紹介
茂木大輔[モギダイスケ]
国立音大、ミュンヘン音大、新星日響、シュトゥットガルト・フィルを経て、1990年から2019年までNHK交響楽団首席オーボエ奏者を務めた。室内楽、音楽祭、放送などでも活躍し、多数のCDをリリース。1998年から指揮活動に入り、自らの企画による解説コンサートを全国展開。オーボエを丸山盛三、G・パッシンの各氏に、また指揮を岩城宏之、外山雄三、広上淳一の各氏に師事。東京音大指揮科助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
77
N響の演奏は、FMやTVでも親しく接しているから、舞台裏を垣間見れるという意味で、とても楽しくて一気に読める。ただ、内容的に深いかと言えば……。あとがきで「いくらでもネタがあると楽しみにしていたが、書いているうちに、オーケストラ(奏者)と指揮者の関係は意外とあっさりしていたんだなと思うようになった」とあるが、本書の内容は、練習の進め方や棒の振り方などの外形的なことが中心で、芸術的に深く踏み込んだり、指揮者の人間性に鋭く迫るものではない。指揮者とオケ奏者とのソーシャル・ディスタンスを見る思いがする。2020/11/09
美東
15
楽員に最も愛された親方指揮者 ホルスト・シュタイン 本番で《ドン・ファン》の最初の方にある短いが入りにくいソロを「落ちた」にもかかわらず、”(茂木は)オケが「危機的状況」に陥った時にも達観して平静を保つ人物である。”との推薦状を書くシュタイン先生...爆笑!2022/03/13
Totchang
15
139ページから始まるクルト・マズアのページでは、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が東ドイツだった話などが出てきて、その指揮者の色が伺える。ロジャー・ノリトンのピリオド奏法も興味深かった。また筆者がいろいろな指揮者から推薦状を獲得する話もおもしろい。クラシック演奏に暗い私でも色々と楽しめる一冊でした。2020/10/19
Wataru Hoshii
10
2019年2月にN響を定年退職した、オーボエの茂木さんによる指揮者の思い出エッセイ。最後の定期は私も聴きました。ちょうど茂木さんがN響に入団された頃、私はオーケストラを聴くようになったので、私にとっても懐かしい指揮者の話がたくさん出てくる。オケの中にいるからこそわかる名指揮者の人柄の話は面白いし、それが観客としての印象と結構違うこともあるのだなと思った。そしてこの本からは、もうこの世にいない音楽家たちへの茂木さんの深い思いが感じ取れる。茂木さん、これからもお元気でご活躍ください。2020/09/27
コチ吉
9
もぎぎが在籍期間中にN響に登場した指揮者をざっくり語った本。一人一人が短くてあまり踏み込んだ内容とはなっていないが、プレヴィンやミョンフンなどのエピソードは印象的だ。でもN響って日本ではちょっと過小評価されている気がする。日本人が自国を愛せないという例の悪しき慣習がこんなところにも現れているのだろうか。2020/11/17