出版社内容情報
「間違いなく、天才。音楽史上五指に入る大天才」――
大作曲家たちの“すごさ”“素晴らしさ”が楽しくわかる! すべてのクラシック音楽ファン座右の書、日本クラシック音楽界の重鎮・池辺晋一郎の代表著作『音符たち』シリーズ。新装版化されたバッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、ドヴォルザーク、チャイコフスキー、シューベルトに続き、根強い人気を誇るメンデルスゾーンが刊行!!
「こむずかしそうな学者的解説やアナリーゼは避け、名曲の楽譜に並んだ“音符たち”の、いわば『行間』から裏側をのぞき、そこからオッと思える芽を見つけ、摘み取り、いじくりまわしてみる――それらを『同業者』として作曲家の立場で行う」という同シリーズのコンセプトのもと、著者が子ども時代から惹かれつづけてきたメンデルスゾーンが創り上げた名曲の名曲たるゆえんを、「イタリア」「真夏の夜の夢」「無言歌集」などのほか協奏曲からオラトリオまで、軽妙洒脱な筆致で説き明かす。
【目次】
序文
はじめに
第1章:寂寥を聴く体験――序曲《フィンガルの洞窟》
第2章:アウフタクトで示した構成力――ピアノ・トリオ第1番
第3章:少年の不思議な創作──ヴァイオリン協奏曲二短調
第4章:言葉以上に饒舌――《無言歌集》
第5章:トゥッティの歓び!――交響曲第1番
第6章:引用の効用――交響曲第5番《宗教改革》
第7章:物語の世界を語り尽くす――《真夏の夜の夢》序曲
第8章:組曲形式の交響詩――劇音楽《真夏の夜の夢》より
第9章:燦然と輝く傑作――交響曲第4番《イタリア》
第10章:技法の高みとファンタジー ――八重奏曲
第11章:たまにはちょっと苦情を……――ピアノ協奏曲第1番&第2番
第12章:明快でシンプル――歌曲集
第13章:洗練の極み――序曲《美しいメルジーネの物語》
第14章:ルーツへの旅――オラトリオ《エリヤ》 その1
第15章:作曲家としての強い意志――オラトリオ《エリヤ》 その2
第16章:ベートーヴェンを継承して……――幻想曲《スコットランドふうソナタ》
第17章:そのコモンセンスの具現、人格そのもの――クラリネット・ソナタ
第18章:壮大無比な大傑作――交響曲第2番《讃歌》
第19章:大作曲家の前史――「シンフォニア」集
第20章:名曲誕生への紆余曲折――ヴァイオリン協奏曲ホ短調 その1
第21章:ユニークだらけの第1楽章――ヴァイオリン協奏曲ホ短調 その2
第22章:天才が示した新しい道――ヴァイオリン協奏曲ホ短調 その3
第23章:衒(てら)いのない絵画――序曲《静かな海と楽しい航海》
第24章:船旅の思い出も……――交響曲第3番《スコットランド》