内容説明
「『音楽をやる』ということがどんなことなのか皆目見当がつかないまま、数学嫌いの一中学生がその数学逃れたさの一念で、受験に数学のない学校を探し、志望校にわけもわからず「東京音楽学校」と記したのが事の始まりだった」(著者)。困難を乗り越え見事東京音楽学校に合格するまでを、さまざまなエピソードを交えながら綴った音楽少年誕生物語である。畑中良輔の自伝的小説。
著者等紹介
畑中良輔[ハタナカリョウスケ]
1922年(大正11年)北九州市門司生まれ。東京音楽学校(現東京芸術大学)声楽科、同研究科卒業。宮廷歌手ヘルマン・ヴーハーペニヒ博士に師事。リリック・バリトンとして、その音楽的解釈力の深さと卓越した演技力で、デビュー当時より高い評価を受ける。オペラではモーツァルト歌手として第一線で活躍、「魔笛」「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」「コシ・ファン・トゥッテ」等の日本初演の主役を歌ったほか、ヒュッシュ、タリアビーニと共演するなど、オペラ上演史に輝かしい足跡を残した。また歌曲ではドイツ歌曲・日本歌曲に造詣が深く、特に日本歌曲では全国縦断連続リサイタルを行ない、その普及に多大な貢献をした。東京芸術大学名誉教授、初代新国立劇場芸術監督、藤沢市民会館文化担当参与、水戸芸術館音楽部門芸術総監督、昭和60年紫綬褒章受賞、平成2年毎日芸術特別賞受賞、平成6年勲三等旭日中授賞受賞、平成9年モービル音楽賞受賞、平成11年神奈川文化賞受賞、平成12年度文化功労者顕彰
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