内容説明
越中国守時代とそれ以降の家持を読み解く。家持の用字・表記法をめぐる論攷や作歌の特徴をめぐる論攷、越中時代の歌に関する論攷や代表作「春愁三首」を取り上げた論攷。さらに、『萬葉集』末四巻における家持歌作の減少をめぐる論攷などから、家持の歌世界を明らかにする。
目次
「儲作歌」と「預作歌」
「大伴家持用字圏」その後
越の国の歌だより―書儀・書簡と家持の和歌
「雲の歌」をめぐって
大伴家持と坂上大嬢、夫婦愛の軌跡(2)―越中国守時代の恋歌「恋緒を述ぶる歌」と大伴池主との交友
大伴家持の地名表記―越中守時代を中心に
「春愁三首」の読みの現在
色好みの家に埋れ木の人知れぬこととなりて―家持の作歌活動の衰退をめぐって・素描