内容説明
宮城道雄は大正・昭和期の邦楽界の革新者であった。伝統的な箏曲に洋楽的な要素をとり入れて融合し、その名人芸から演奏技巧を飛躍的に拡大した。宮城道雄に師事し、後半生を共に過した著者は、天才の素顔と秘密を明らかにしながら彼の生涯をたどり、主要作品を細かく分析、演奏法を解説する。箏曲関係者必読の書。
目次
第1期 朝鮮在住時代
第2期 東京在住時代(転機、最盛期)
第3期 晩年
結び
感想・レビュー
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ena
1
あの有名な「春の海」を作曲した宮城道雄氏の一生。丁寧な主要曲の解説を交えながらを時系列でおっていく。圧倒的天才ということや、本当に小さいときから作曲できるだけの力もあったのだなと思うのだけれど、それに甘んじず洋楽的要素など幅広く貪欲に学んでいった姿勢は尊敬する。時系列で追っていくと、これまで一曲一曲バラバラだった知っている曲が点から線につながり、1人の同一の人が生み出したものだということを実感。正直曲の解説は、私自身に音楽的知識がないのでさっぱり…ということもあったのだけれど、緻密な作曲なのだな…。2018/03/17