内容説明
近年関心が高まっている世紀末前後のウィーンからは、美術・建築・文学・音楽などで多くの才能が輩出したが、その作風の変化は社会情勢の変化と一致している。新ウィーン楽派のシェーンベルクが歩んだ道も、ウィーンという街ぬきで理解することはできない。本書はシェーンベルクと弟子のヴェーベルン、ベルクと直接あるいは間接的にかかわり合った様々な人たちへのインタビューから、当時の雰囲気と彼らの人間像を浮き彫りにする。
目次
第1部 文化的環境
第2部 公演
第3部 教育
第4部 十二音技法
第5部 ベルリン時代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kthyk
21
著者は70年代、シェーンベルクの弟子の弟子、25人をインタビューする。この作曲家の最初の理解者は建築家アドルフ・ロース。彼の非構造的装飾への抗議は有名だが、シェーンベルクの半音階的簡素化は調性音楽の構造上の特徴を無効にした。そして個人的感情を挟まないで音楽に語らせるという新しい表現を確立した。カール・クラウスの文章はコンマが的確で分かり易い、ここからシェーンベルク・サークルは音を明晰に聞き取らせる事に熱中した。シェーンベルクはブラームスのスタイルで弦楽四重奏を書けない学生には現代音楽の話は一切しなかった。2022/03/02
べ
0
ベルクのこと好きになる というかベルクのこと慕っている人が多い シェーンベルクは厳格で単純なベルクとはちがう魅力がある カールクラウス付き合いにくい人だったんだ 構成がおもしろく笑いながら読む エピローグナチ2022/03/29