内容説明
音楽家でせっせと手紙を書く人物はめったにいないが、ドビュッシーは、フランス人音楽家のなかでは例外である。その文体はおのずと輝かしい、直観的で、とかく辛辣なものであり、たくみな表現に満ちている。彼の作品は、その革新の厳正さという点で、時代をはるかに凌ぎ、他方、人間としての彼は、慣習社会の道徳的な拘束から逃れようと空しく試みるが、これらの手紙を通してそうした作品と人間の間に形成される弁証法には、ある種の悲劇的なおもむきが見え隠れしている。
目次
少年時代~音楽の勉強~ローマ大賞―1884~1887年
影響~友情~初期の諸作品―1887~1893年
“ペレアス”の揺籃期~ピエール・ルイスとの友情~“牧神の午後への前奏曲”―1893~1896年
ジョルジュ・アルトマン~“夜想曲”~ギャビーとの訣別~リリーとの結婚―1896~1901年
“ペレアスとメリザンド”―1901~1904年
離婚~“海”~エンマとの結婚―1904~1906年
名声~劇音楽の計画(1906~1909年)
ロシア・バレエ団~管弦楽のための「映像」(1909~1910年)
旅行~「聖セバスティアンの殉教」(1910~1911年)
「遊戯」~大シーズン~新たな旅行(1912~1914年)
戦争~晩年(1914~1918年)
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