内容説明
高度の文化の伝統をもつウィーンは、なかんずく独自の音楽の特性を濃厚に保持しつつ、幾多の音楽家を迎え入れて輝かしい音楽芸術を創造させてきた。ウィーン音楽の特性とは何か、大作曲家たちはこの伝統といかに対決し、いかなる関係をもったか…。ウィーン音楽を文化史的・精神史的観点から考究した名著。
目次
1 宮廷歌人と遍歴楽人
2 キリスト教団の音楽と社交歌曲
3 マクシミリアン1世延廷の音楽家たち
4 作曲のペンをとる皇帝たち
5 バロック時代のオルガン音楽
6 バロック時代のウィーン・オペラ
7 古典派前期のウィーン
8 グルックのオペラ改革とウィーン
9 ハイドンと貴族社会
10 モーツァルトの悲しみ
11 民俗的音楽劇ジングシュピール
12 外来者としてのベートーヴェン
13 ピーダーマイヤー時代の音楽生活
14 シューベルトはウィーン的か
15 わき立つワルツのひびき
16 踊り好きのウィーン
17 ヨハン・シュトラウスとその時代
18 リヒャルト・ワーグナーとウィーンの楽界