内容説明
政治的・経済的・思想的・運動論的に種々雑多な要素から構成されたイタリア・ファシズム。本書は、20世紀前半期に他国にさきがけ統合統制社会(全体主義社会)の確立をめざしたファシズムの、勃興から初期の体制的危機までを精緻に考究した本格的な論文集成である。ファシスト・サンディカリズムに関する入念な資料解読を基礎に、イタリア最大の穀倉地帯であるポー川流域平野に研究対象地域を絞った本書は、わが国のイタリア・ファシズム理解にとって具体的かつ確かな手応えを与えるものである。
目次
第1部 農村ファシズムとファシスト・サンディカリズム(1919年‐1922年)(ファシズム発展の一断面―ヴァッレ・パダーナを中心にして;ファシスト・サンディカリズム史論(ファシスト組合運動の形成過程;ファシズムの発展と組合運動)
ボローニャ・ファシズムの誕生)
第2部 初期ファシズムの危機(1923年‐1925年)(ファシズムの危機(1923年‐24年)
異論派ファシスト、A.ミズーリ
ファシスト・サンディカリズムの理念と現実―1925年3月の金属機械工のストによせて)
著者等紹介
桐生尚武[キリュウナオタケ]
1941年長野県飯田市下久堅生まれ。1962年日比谷高等学校定時制卒業。1967年京都大学文学部史学科西洋史学科専攻卒業。1969年京都大学大学院文学研究科西洋史学専攻修士課程修了。1975年京都大学大学院文学研究科西洋史学専攻博士課程単位修得退学。1972年イタリア政府給費奨学生としてローマ大学留学(~1974年)。1979年明治大学政治経済学部専任講師。1982年明治大学政治経済学部助教授。1987年明治大学政治経済学部教授。2001年1月死去
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