内容説明
ヘーゲルの国家論といえばたしかに官僚制度と官僚を重視するものである。しかしこの文章は、ヘーゲルの目が市民生活の細部にまで届いていること、しかもその目は確かであることを物語っていないであろうか。この大思想家は、一見そう見られがちだが、大情況ばかりを論じているわけではない。彼には官吏の言動や教養と市民生活との接点までもきちんと見えているのである。
目次
ヘーゲルにおける近代国家のイメージ―「ドイツ憲法論」の国家概念をめぐって
ヘーゲルにおける労働・道具・機械
ヘーゲルとルソー―国家意志論を中心に
あることとあるべきこと
ホッブズ、ルソーおよびヘーゲルの中間団体論
市場・職業団体・国家
カントからヘーゲルへ
カントのヨーロッパ連合論とその波紋
ハイデルベルク時代の「欲求の体系」論
市民社会と「権利の擁護」
ポリツァイとコルポラツィオーン
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