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内容説明
本書では、西田幾多郎と廣松渉の哲学を視座としてアイヌ民族の記憶と歴史を考えていく。二人の哲学は、自然、生命、そして「近代」を根柢から捉える射程を有しているからである。もし、輝かしい「歴史的事実」を自明視したままであれば、自律的理性が「形骸化」した日常を生き続けることになるだろう。いま必要なのは多様な歴史像を単なる「肯定/否定」とする二分法的思考ではなく、新たな「自覚」による思考である。そのためにもアイヌ民族自らの「アイヌ史」を和人たちが受容し、理解することが要請されている。
目次
第1章 他者性と「世界史の哲学」
第2章 アイヌ民族の記憶とトポフィリア
第3章 先住アイヌ民族と生活形式としてのイオル
第4章 視線による表象化と脱物象化の間で
第5章 言語ゲームという記憶の綴織と記憶の「織物師=人間」
第6章 「包含‐展開」のトポロジーによる「生命の自証」
第7章 「絶対矛盾的自己同一/自己分裂的自己統一性」と「二重の襞としての生命」
著者等紹介
米村健司[ヨネムラケンジ]
1966年北海道生まれ。早稲田大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学、博士(教育学)。早稲田大学教育・総合科学学術院教授。専攻は思想史・教育学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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