内容説明
19世紀後半以降、民族の意志、民族精神は国家のなかに具現化されており、「ドイツ人の自由」は国家においてのみ実現されるという奇妙な団体観念に変形させられてきたこと、また現今のナチズム体制下においては、教会・政党・労働組合などの諸集団が解体され、国家のために人間の生命が失なわれることをよしとする危険な思想状況が出現しつつあることを十分に見抜いていたバーカーは、集団観念の内容の違いが、各国の民主主義の実状と深くかかわっていること、そしてそのような問題の正しい解決のためには、近代自然法思想の社会・政治観の原点に立ちもどって再検討する必要があることを人々に訴えようとした。
目次
法と政治理論
自然法
歴史法学派
集団人格
感想・レビュー
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うえ
6
「イギリスの国家はふとした偶然的な方法で、それも多くのばあいは衡平を意とする信託の法が発展したために、概して安泰であった。国家は、衡平法という左の手で許可したものの多くを、ときとしてコモン・ローという右の手でとり上げてしまうことがあったにもせよ、である。おなじく、われわれは、ドイツの諸国家がなんらそのような避難所をつくらなかった、ということも認めることができる。またドイツでは…団体の自由を擁護する一般理論が、イギリス以上に、ドイツにおいては緊急に必要とされた、ということも認めることができるのである」2019/04/27
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