内容説明
今回の特集では、根源的な不安定性を抱えながら普遍主義的に自己を拡張しようとするブッシュのアメリカの現在の在り方に集約されるグローバル化し続ける「自由の帝国」の矛盾を、西欧近代の「自由主義」の原点にまで遡って再考することを試みる。
目次
巻頭座談会 イラク戦争後の世界秩序
1 「自由の帝国」の逆説(自由と安全―イラク戦争後のリベラリズムの行方;「長い二一世紀」における二つの共和主義―シュトラウスとネグリ ほか)
2 イラク戦争後の世界システム(ブッシュ大統領二期目と世界;ポストナショナルな世界配置について―イラク戦争後の帝国と国家 ほか)
3 ヘゲモニーと民主化(イラク「民主化」の可能性とアラブ世界;失われた故郷の記憶の抹殺と「占領」という言葉のポリティックス ほか)
書評(“過去”認識の焦点 冷戦下・東アジアの闇に抗するもの―徐勝編『東アジアの冷戦と国家テロリズム 米日中心の地域秩序の廃絶をめざして』)
4 論壇時評・反グローバリゼーション(9)(声なき声のコンセンサス―転機を迎えた世界社会フォーラムと合意形成の政治学)