出版社内容情報
感性とものをつなぐ、プロダクトデザインの考えかた
私たちの周りには多くのモノがあふれていますが、かんたんに消費されない、長く使われ続けるものは意外と多くありません。大量消費時代と比較して消費行動の様式も変わりつつある現代において、製品は「機能を果たす」だけでなく「気持ちよく使える」「愛着がもてる」といった感性に訴えかけるデザインを必要としています。
本書は、エモーショナルデザインのしくみと具体化の手法を、デザイナーである著者の実体験をもとに解説します。単に機能を果たすだけでなく、使用者に満足感を与えたり愛着を感じさせたりする品質を「エモーショナルデザイン」と定義し、その手法を解説します。
前半では、ドナルド・ノーマンが提唱したエモーショナルデザインの考えかたを学んだのち、SD法によるアンケートなどで得た感性データの評価や分析のしかたを学びます。また、色・形・素材などの物理的な要素と、人の感情のつながりも解説します。後半では、エモーショナルデザインの研究事例や実在するプロダクトから、データや知見をデザインに具体化する手法を学びます、最終的には、読者自身がエモーショナルデザインを実践できるようになることを目標とします。
目次
1 エモーショナルデザインとは?(用語の定義;思想と実際のプロダクト;感性とデザインのつながり;現場のデザイン工程)
2 感性工学とエモーショナルデザイン(感性工学とはなにか;感性工学における評価;感性評価の概要と手順;感性評価の実践1―アンケートの準備;感性評価の実践2―アンケートの作成と分析)
3 エモーショナルなデザイン要素(感情にはたらきかけるデザイン要素;エモーションを引き出すデザインコンセプト;「高級感」を分析する)
4 エモーショナルデザインの実践(洗面ボールに対するユーザーの感じかたを調べる;印画紙としての和紙の魅力を調べる;高級感のあるドレイナートレイのデザイン;若者に好まれるスタイリッシュなスニーカーソールのデザイン;浴室椅子「RETTO」のデザイン)
著者等紹介
橋田規子[ハシダノリコ]
東京藝術大学美術学部デザイン科卒業後、TOTO株式会社にて便器や水栓金具、キッチンや浴室などのデザインを行う。同社デザインディレクターを経て2008年芝浦工業大学教授に就任。同年NORIKO HASHIDA DESIGN設立。住宅設備、オフィス家具、生活用品のデザインに携わり、心地よさを軸に、エモーショナルデザインの実践を行う。2013年博士(工学)取得。グッドデザイン賞審査員、キッズデザイン賞審査員等。日本デザイン学会、日本感性工学会所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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