目次
1 日本の神話
2 天孫降臨―王権神授神話の淵源をたどる
3 大物主神の崇りの物語
4 肥の河の祭祀と神話
5 古代の謎三題
6 記紀と系譜
7 神武天皇像の成り立ち
8 天武・持統朝と『古事記』
余録 五王を支えた倭の豪族
随想 想い出の中から
著者等紹介
菅野雅雄[スガノマサオ]
昭和7年岡山県生。昭和38年国学院大学大学院博士課程修了。昭和48年文学博士。現在、中京大学教授
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感想・レビュー
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おゆ
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あとがきで著者も認めている通り、「夜話」の題に期待する砕けたお話は聞かれず、もうほとんど論文の体裁。でも、神武東征を壬申の乱の天武天皇に重ねて、その背景を推測する下りは非常に面白く読んだ。私見と断ってはいるけど説得力がある。天智天皇が劣り腹の大友皇子を擁立したのは、血筋よりも実質をとる律令制の精神に則ったからで、天武天皇はそれに逆行した神聖政治を目指したというのも、新しい見方で興味深い。父・天智天皇の律令制に携わり、夫・天武天皇の神聖政治にも携わったのち即位した女帝・持統天皇にどうしても惹かれます。2013/03/31