内容説明
夫婦になるより夫婦であり続けることの重さ。山の手の奥にひっそりと身を寄せ、平穏そうな日常を噛みしめていた一対の男女に〈過去〉の影が一閃する…。口籠るような夫婦生活の吐息をさまざまな色に染め上げた『門』論24編の競演。
目次
「門」―罪からの遁走
「門」をめぐって―夏目漱石論
漱石的苦悩と罪 『門』における運命の偶然性
「門」の意図
『門』論
『門』とその罪責感情
『門』について
『門』第17章―心理学的考察
夏目漱石試論3―『門』を中心に
『門』―〈自然の河〉から〈存在の河〉へ
『門』の構造〔ほか〕