出版社内容情報
国に残された元「慰安婦」を訪ね、彼女らの折り重なる痛みを記録。ニコンサロンでの展示中止が問題となった写真展の書籍化。
中国に残された元日本軍「慰安婦」女性たちを題材とし、新宿ニコンサロンでの展示中止が問題となった写真展「重重」を書籍化。未発表写真を加えた約100点と書き下ろしエッセイで、被害女性たちの折り重なる痛みを静かに訴える。
【著者紹介】
1971年、韓国江原道生まれ。写真家。1991~94年社会写真研究所で活動。「ナヌムの家」、韓国挺身隊研究所などに関わる。2001年より中国に残された朝鮮人元「慰安婦」女性の調査を開始。2003年にソウルで初めて「重重」写真展を開催。2012年、新宿ニコンサロンで予定されていた展覧会が直前に中止を通告され、東京地裁に仮処分を申請、開催に至る。その後も日韓の市民や研究者、ジャーナリストの支援のもと各地で写真展や講演会を実施。「重重」プロジェクト http://juju-project.net/
目次
イ・スダン―家族の送ってくれた一枚の写真だけが、私の唯一の家族だよ。
キム・スノク―逃げるってどこに逃げるんだい?捕まったら殺されるよ。
ペ・サムヨプ―一週間、血が出っぱなしだったよ。痛いし腫れるし、歩けやしない。
キム・ウィギョン―咲いている花がむしり取られたようなもんだよ。
パク・テイム―夜には寝かせてもらえないし、アレをしなけりゃご飯もおあずけさ。
ヒョン・ビョンスク―魂は朝鮮に行ってるよ。見る夢も朝鮮の夢さ。
パク・ウドゥク―できれば故郷で暮らしたいねえ。
パク・ソウン―寄る年波には勝てないねえ…長年暮らしたここがもう故郷だよ。
著者等紹介
安世鴻[アンセホン]
写真家、重重プロジェクト代表。JVJA(日本ビジュアル・ジャーナリスト協会)会員。1971年韓国・江原道に生まれソウルで育つ。中学生時代から写真を撮り始め、朝鮮半島の伝統文化や、日本軍「慰安婦」被害者、障がい者など社会的マイノリティ層をテーマにしたドキュメンタリー写真を発表。2012年、新宿ニコンサロンで予定されていた「重重」写真展が直前に中止を通告され、東京地裁に仮処分を申立て開催に至る。その後も韓国、日本、アメリカなど各地で写真展や講演会を開催している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。