内容説明
日本の社会保障を本気で変える。保険料の増額や窓口負担の重圧。3.11後、さらに勢いを増す医療の市場主義的改悪の動き―。暮らしと生存を支える医療制度の実現に向け、対抗構想を提示する。
目次
序章 医療保障をめぐる現代的対決点と新福祉国家(医療保障と現物給付原則;医療保障と保険原理の衝突関係;国民皆保険をめぐる「人権原理vs.保険原理」の攻防ライン;新自由主義的バックラッシュ期の医療政策;本書の見通し)
第1章 民主党政権と医療政策の新自由主義化(新自由主義的改革の基本的性格と民主党;新自由主義的社会保障改革の構図;民主党政権の社会保障改革;民主党政権における医療政策の新自由主義化;医療政策の市場化・分権化・保険主義に対抗する視点と課題)
第2章 二一世紀の医療保障をめぐる争点と焦点(国保の危機と曲がり角に立つ地域医療;後期高齢者医療制度のねらいと構造;高齢者と地域医療の将来をめぐる争点)
第3章 医療保障をめぐる対決点と国民皆保険体制の展望(医療保障をめぐる対決点とは;医療制度構造改革は、いかに進められたか;対抗の方向と具体的構想)
第4章 社会保障・医療財政の現状と財政原則(社会保障財政の現状;医療費の現状;医療・社会保障の財政原則)
著者等紹介
二宮厚美[ニノミヤアツミ]
1947年生まれ。神戸大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Takao
2
2011年12月16日発行(初版)。「新福祉国家構想」シリーズの1冊目。本書を読んで、1961年に国民皆保険を実現した日本の医療制度は諸外国にも稀な「安心して医者にかかれる医療制度」を実現していたことを知った。しかし今、その「皆保険」が危機に瀕している。2008年に導入された後期高齢者医療制度を露払いとして、日本の医療制度全体が変えられようとしている。患者の健康や命よりも医療費を抑えることを最優先に考えるのが果たして「政治」なのか。2018/09/30
端 伸一郎
0
なぜ、国民皆保険が重要なのか原理原則がよくわかり今までのモヤモヤがスッキリしました。皆保険制度がこれ以上崩されると背筋の凍るような事態なるのがリアルにわかり背筋が凍るようです。皆保険制度を守らなければという思いをより強くしました。2013/02/04
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- 和書
- 37歳中卒東大生