戦後日本の人身売買

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 378,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784272350360
  • NDC分類 368.4
  • Cコード C0036

出版社内容情報

全国各地の史資料を渉猟、1940年代後半から1950年代を中心に、女性・子どもの人身売買の実態を明らかにした貴重な研究書。

【著者紹介】
敬和学園大学教授。日本近現代史研究。著書に、『強制された健康』(吉川弘文館)、『「いのち」の近代史』(かもがわ出版)、『性の国家管理』(不二出版、2001年)、『忘れられた地域史を歩く』(大月書店)、『ハンセン病と戦後民主主義』(岩波書店)など。

内容説明

「戦後民主主義」の下、人身売買はどのような論理で維持されてきたのか。超インフレ、ドッジ不況、農地改革、北海道・東北冷害、炭鉱合理化…目まぐるしく変動する戦後の日本で、女性・子どもの人身売買は「暗黙の了解」としてまかり通っていた。敗戦まもない1940年代後半から高度経済成長に向かう1950年代を中心に、全国各地の史資料を渉猟、現代につながる問題の実態を明らかにする。研究史の空白を埋める貴重な成果。

目次

近代日本の人身売買
第1部 戦後初期の農漁村における女性・年少者の人身売買(漁村における子どもの売買の問題化;農村における子どもの売買の激化;政治問題化する人身売買)
第2部 北海道・東北冷害、および炭鉱不況下の女性の人身売買(北海道・東北冷害と人身売買;炭鉱不況と人身売買;売春防止法の成立と人身売買)
人身売買の現在

著者等紹介

藤野豊[フジノユタカ]
1952年神奈川県生まれ。現在、新潟県を拠点に日本近現代史研究に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

midnightbluesky

10
三丁目の夕日とか言って繁栄や自由を謳歌している戦後はこの本の中には存在しない。昔も今も東北は受難の地域である。宮本常一が人身売買という事実を相互扶助の風習として容認するようなスタンスであったことを知りかなりショック。事実から目を背けていただけなのか・・・。2012/11/09

あきら

4
日本は世界でも有数の人身売買国家で、どのように現代にきているのか、知りたくて読んだ。日本各地仕事に土地に、人が人とされずに搾取されている。なぜ自分の子どもを売るのか?人の人生を奪いすべての権利を略奪するのか?「売ったほうも買ったほうも悪いことしたという意識が低い」戦前の人身売買から現在に至るまでの日本の現実。最後に著者は こう締めくくる。「国際的にも、批判された人身売買に寛容な日本国家の現実がある。人身売買は道徳の問題ではない。政治の問題をである。人身売買は過去の問題ではない。現代日本の問題である。」2013/03/25

nizimasu

2
戦後に日本で人身売買なんてあったのかなと疑問に思いつつ、本を進めていくとそこにあるのは、社会の底辺でうごめく人身売買という制度だった。売春はもとより、労働力の売買という観点は今の日本のくだり坂の時代にもまた違う意味を持っている気がする。人間の価値や尊厳が安売りされていく時代。そんなことを思いめぐらされる2012/11/19

もいちゃん

0
明治期から二次大戦中の人身売買被害は大方状況が似ている。東北地方を中心に凶作被害にあった農家の親が子を口減らしとして売りにだすケースだ。 明治政府は18歳以下の労働を禁じはしたものの、人身売買に関する規制を明確に設けてはいなかった。 では現代ではどうだろうか?恐ろしいことに、日本は未だそうした規制を持ってはいない。2003年ILO駐日事務所の報告によると、日本の人身売買被害が問題視されており、2012/11/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5281706
  • ご注意事項

最近チェックした商品