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内容説明
E.S.カーティスの撮影したネイティヴ・アメリカンたちは、静かな威厳を漂わせ、高貴な品格を感じさせる。そして自然と共生してきた彼らの語る言葉は、素朴だが時に厳しく、叡知に溢れている。イメージと言葉が詩的に一体化し、精神的癒しに満ちた至玉の一冊。
目次
父から子へ
空はひとつ
かぐわしき花々
よき道をゆけ
著者等紹介
カーティス,エドワード・シェリフ[カーティス,エドワードシェリフ][Curtis,Edward S.]
1868年アメリカ合衆国ウィスコンシン州に生まれる。十代で写真に興味を持ち始める。一家はその後、ワシントン州に移る。23歳の時に共同経営で写真館を開業する。徐々に写真家として名を高め、1899年ハリマン探検隊の専属写真家としてアラスカ探検に参加する。この時撮ったネイティヴ・アメリカンの写真が全米写真大会で賞を取る。その後、ネイティヴたちの文化を写真として記録していくことを自らのライフワークとする。1907年「北米インディアン」の第一巻を出版。それから23年をかけ、20巻に及ぶ不朽の大作として結実する。1952年ロサンジェルスにて死去
井上篤夫[イノウエアツオ]
作家。1947年、岐阜県生まれ。早稲田大学文学部中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリー
62
ネイティブ・アメリカンの教えが、私の心を捉えて離しません。「人間が自然の一部であること」を私たちは、彼らから学ぶ必要があるのではないでしょうか。自然に対する謙虚さを失わずにいたいと思います。以下、引用。「太初、知恵と知識は獣たちのものであった。天におわす神ティラワは、人間にじかに語りかけはしなかった。神は、人間のもとに獣たちをつかわし、獣たちに神を見よと伝えた。獣たちにから学べと、星々から、太陽から、月からティラワの教えを全て学べと伝えた。」p26【ポーニー族の酋長の言葉】2020/02/22
テツ
19
人間は自らを霊長と自覚してその他大勢の生命が織り成す自然のサイクルから抜け出してしまった。その瞬間にこの地球上でホモサピエンスだけが仲間外れになってしまった。人間を不意に襲う、理屈じゃない凄まじい孤独感の理由の一端はこのあたりにあるのではないかと個人的に思う。ネイティブアメリカンの方々をはじめとしたアニミズム的な価値観で眺めた世界で生きられたのなら心の空いた部分に満ちる何かも見つかるような気がするのは、これも現代人的なある種驕った見下した価値観なんだろうか。2020/05/07
sugi
1
確か昨年暮れに読み終わった本。薄く、文字も少ないので、直ぐに読める。エドワード・S・カーティスの写真が素晴らしい。スタジオで撮ったというが、本当だろうか。ネイティブの人々の教えも、彼らの顔も、本当に哀しげだ。この深い優しさは哀しみを知っているものの証だろう。胸が痛くなった。