ミスター・セバスチャンとサーカスから消えた男の話

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 366p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784270005798
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

『ビック・フィッシュ』の著者が繰り広げる、
怪しくも蠱惑的な魔術の世界。

〝なにが真実でなにが虚構なのか〟マジックのように読者を欺き、そして惑わせる。『ビッグ・フィッシュ』で広く認知されたダニエル・ウォレスお得意のトール・テイルによって繰り広げられる、変幻自在な物語。
1950年代のアメリカ東部。黒人のヘンリー・ウォーカーは稀代の奇術師として成功を収めていた。しかし突然、彼はサーカスでの興行後に、姿を消してしまった。謎の失踪について、そしてヘンリーの人生について、様々な語り手たち――興行師、奇体(フリーク)の団員、私立探偵―-が各々に語りだす。ミスター・セバスチャンという老奇術師と交わした「血の誓い」、「愛のマジック」、謎に包まれた生い立ち、殺人、黒人ではないこと……。次第に見えてくる、ヘンリー・ウォーカーという奇術師とは。

内容説明

1954年アメリカ。ある日突然、サーカス団から一人の魔術師が姿を消した。ヘンリー・ウォーカー―黒人の魔術師だった。謎の失踪について、そしてヘンリーの人生について、様々な語り手たち―団長、奇体の団員、私立探偵―が各々に語りだす。702号室で出会った魔術師のこと、彼と交わした「血の誓い」、「愛のマジック」、殺人、黒人ではないこと…。次第に見えてくる、ヘンリー・ウォーカーという魔術師とは。マジックのように読み手を欺き、そして惑わせる。『ビッグ・フィッシュ』で広く知られた著者お得意のトール・テイルによって繰り広げられる、変幻自在な物語。

著者等紹介

ウォレス,ダニエル[ウォレス,ダニエル][Wallace,Daniel]
アメリカ、アラバマ州生まれ。ロサンゼルス・タイムズ紙でイラストレーターとして活躍するかたわら、数々の文芸誌やアンソロジーで小説を発表している。現在はノースカロライナ大学にて教鞭をとっている

川副智子[カワゾエトモコ]
東京都出身。早稲田大学文学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅はこべ

87
原題を直訳すると、ミスター・セバスチャンと黒人魔術師。このタイトル自体、フェイクというかミスディレクションなんだけど。誰が騙し、騙されたのか。語り手を経るたび、魔術的な世界の皮が剥がされて、事実がむき出しに。それを知ることのない当事者ヘンリーの哀れさ。一体ヘンリーが見ていたものは何だったのか。私立探偵も謎を解き明かしたようで、それも一面に過ぎないのだろう。本当はミスター・セバスチャンは陰で勝利の微笑を浮かべているのかも。2017/08/19

藤月はな(灯れ松明の火)

35
黒人マジシャン、ヘンリー・ウォーカーは突然、消えた。亡霊と血の契約をした彼には秘密があって…。マジックのタネを教えた代償で最愛の妹を失った彼は本能的に愛を拒む。まるで手に入れば、失うのは必然で怖いからと言うように。そして愛の一部を掴んでもそれはすり抜けてしまう。それは彼自身がかけた自分自身への呪いでもあり、失わないように努力する事を知らなかったことでの滑稽さだったかもしれない。でも幸せがあったのは自らが紡いだ物語の中だった。それを不幸と言える資格を自分の物語の中で生きている私達にできるのだろうか?2015/12/30

めがねまる

25
面白かったんだけど各物語のどこが本当でどこが嘘なのかさっぱりわからず、煙に巻かれたまま終わった。2016/12/06

niaruni

11
読むほどに幻惑されて、作者の術中にはまっていく。この作品自体がまさにイリュージョン。「失われた歳月」の章は、その後のヘンリーの人生を考え合わせると、とてもとても切ない。「思い出さずにいられないのが哀しいことばかりなら過去は忘れるに越したことはない」のだけれど、ときに剥がしてはいけないかさぶたを剥がしてしまうのが人間の性なのだと思う。2010/05/10

すけきよ

11
現実と幻想の狭間に存在するサーカス芸人やフリークス、現実の裏側を見ている私立探偵たちが語るヘンリー・ウォーカーの生涯。ファンタジーが現実となり、そもそもその両者の区別は? という展開は『ビッグ・フィッシュ』と同様。しかし、ヘンリーが見せ、自分でも見ていた幻想はあまりに物悲しい。彼自分が見たくないものを追い求めていたように思える。現実と幻想、生と死、白人と黒人、それら両者を自由に行き来しながら、どちらに属することもできず、その狭間で自分を見失った魔術師の悲劇。個人的には、トッド・ブラウニングのイメージ。2010/04/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/381139
  • ご注意事項

最近チェックした商品