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翳りゆく楽園―外来種vs.在来種の攻防をたどる

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  • サイズ B6判/ページ数 446p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784270005323
  • NDC分類 468
  • Cコード C0045

出版社内容情報

いま出現しているのは新たな自然か、暴走し始めた古い自然か。外来種の脅威を知る旅の果てに著者が目にしたものとは――。陸と海、双方で進む「画一化する自然」の姿を活写した紀行ノンフィクション。

交通手段の発達によって人類が地球上をくまなく行き来するようになったことで、今や動植物も本来の繁殖地を遠く離れて世界中へ侵出している。飛行機に乗ってグアム島へと上陸し、現地在来の鳥たちをエサにするミナミオオガシラヘビ。ヨーロッパから船のタンクに忍び込んでやってきた、アメリカ各地で生態系を破壊するゼブラガイ・・・。外来種が世界中に移動して絶滅寸前の在来種を駆逐していく危機的な状況を、生物学者たちは「世界の均質化」と呼んで警告する。養老孟司先生の解説文入り。

内容説明

生物多様性の現状を知る旅の果てに著者が目にしたものとは―。陸と海、双方で進む「画一化する自然」の姿を活写した紀行ノンフィクション。

目次

第1部 陸(ヘビの棲む島;糸をたぐる;ヘビ調査;知恵比べ;壮大な実験;交易の始まり、自然の終わり;鳥マラリア;生態学者が挑む命題;境界;ハワイの昆虫たち;生態系への侵略;ルールを変える者;侵入種;風に漂う)
第2部 海(海の密航者たち;海洋生物学者の研究室;手つかずの自然はどこに;旅をするフジツボ;海についた指紋をたどる;洋上のフィールドワーク;侵入種学の確立をめざして;エデンの園へ;タスマニアの変わりゆく生態;「手つかずの自然」という幻)

著者等紹介

バーディック,アラン[バーディック,アラン][Burdick,Alan]
『ディスカバー』誌のシニアエディター。『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』、『ハーパース』、『ナチュラル・ヒストリー』などの雑誌や科学誌にも寄稿。妻とともにニューヨークに在住

伊藤和子[イトウカズコ]
早稲田大学第一文学部卒業。創刊時より『ニューズウィーク日本版』の翻訳、編集、『ナショナルジオグラフィック日本版』の翻訳に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

眠り王

2
外来種は本当に悪なのか? と疑問に思った時に勧められたので読んで見ました。 著者は陸、海それぞれで外来種の研究家やフィールドワークの専門家から話を聞いて、色々な角度から外来種と呼ばれる生物の実態を丁寧な筆致で記しています。 この本の中には疑問に対する回答はないものの、外来種と在来種を分ける境界は曖昧なこと、外来種の移入を阻止するのは人間の利益に基づく活動であることが理解できただけでも良い収穫を得られたように思います。2017/11/20

shin

2
サブタイトルの外来種vs在来種の攻防はまだ明らかになってないことが多すぎて、まだほんの部分的にしかたどることができていない。後半の「海」の章が他の生物多様性や外来種の本と違い、在来種とは何かまで踏み込んでいて考えさせられる。2013/05/28

150betty

1
(☆5)ねずみに支配された島の副読本として勧められたので読んだ。人間が大事にすべきだという自然環境が果たしてどの時点の自然環境のことを指すのか、その人が知っている環境に関する知識や記憶が必ずしもその場所本来の自然環境ではなく、むしろかなり人の手によって改変された後である可能性が高いことをこの本ではまず指摘する。人間が住み始める前の自分が現在住んでいる場所の自然なんて到底知り得ることはできないからである。他の外来種に関する本と違って、外来種が美しく描かれてるように感じるのは面白いところである。2014/11/15

やきそらまめ

1
手付かずの自然など存在しない。もしかすると宇宙までも徐々に。バラスト水のことはニュースになっていたのを覚えていたが、日本の在来種も多数海外に入り込んでいるのか。恐ろしいのか、儚いのか、とにかく生命とそして人間の凄まじさと限界に圧倒される。たまに日本語で書かれた本かと錯覚するほど翻訳が読みやすかった。2013/09/24

尾張こまき

1
外来種、侵入種、移入種の関わる研究者たちの奮闘ぶりが興味深かった。「自然」とはなにか、「手つかずの自然」とは、そんなものは存在するのか、それでも人が「自然」と思うものを守ろうとするのはなぜか、著者の考える結論に同感です。唐突に宇宙に飛び出す最終章に、著者が伝えたかったことが集約されてる気がします。あと、ハワイの昆虫学者の、絶滅寸前の希少種を保護するのに費やされる莫大な予算を生態系(環境)を保全する方に回せばもっとたくさんの種が守れるのに、という想いには同感。国家予算には潜り込めるニッチはないのかね。2013/06/12

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