シャルビューク夫人の肖像

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  • サイズ B6判/ページ数 445p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784270001349
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

好況に沸く19世紀末のニューヨーク。肖像画家のピアンボに突然声をかけてきたのは、両目が白濁した盲目の男。シャルビューク夫人の使いと称し、法外な報酬を口にして、肖像画の制作を依頼してきた。ただし、屏風の向こうで夫人が語る過去の話とその声だけで、姿かたちを推測しなければならない、という奇妙な条件付きで。謎の霊薬、人糞占い師、血の涙を流しては死に至る奇病の流行―夫人の荒唐無稽な語りを聞くようになってからというもの、ピアンボの周辺でも不可思議な事が次々と起こるようになり…。世界幻想文学大賞受賞作家による最高傑作。

著者等紹介

フォード,ジェフリー[フォード,ジェフリー][Ford,Jeffrey]
1955年生まれ。米国の作家。1997年の長篇The Physiognomy(『白い果実』国書刊行会)を発表するやニューヨーク・タイムズ紙で激賞され、翌年、世界幻想文学大賞を受賞し、世界各国で翻訳刊行された。また本書でも2003年度世界幻想文学賞にノミネートされ、米国ファンタジイ小説界での評価を不動のものとする。さらに最新作のGirl in the Glassでは2006年度MWA最優秀ペーパーバック賞を受賞し、ミステリ小説界からも脚光を浴びた。ニュージャージー州在住

田中一江[タナカカズエ]
東京都出身。東京女子大学卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

メイ&まー

20
1800年代のニューヨーク、肖像画家のピアンボは盲目の紳士から女主人の肖像を描いてほしいと依頼を受ける。でも屋敷に行ってみるとシャルビューク夫人なる女主人は屏風の後ろに座ったまま姿を見せず彼女の語る話だけを手掛かりに肖像画を描け、と。ぐいぐいひっぱられて最後まで読むんだけど、感想としては、、なんだかへんてこなお話。雪の結晶を読み取るとか幻想的な雰囲気もあれば、排泄物占いのじいさんが出てきたり、ミステリでもあるし。とにかく結構振れ幅が大きい。面白いんだけど、読み終わって反芻してみると、あれ?って(笑)。2014/12/21

tom

17
しばらく前に「言葉人形」を読み、奇妙に面白かったので、今度は長編をと思い図書館に注文。表紙を見て、出版当時に話題になっていて購入、どうして話題になるのか理解できずに処分した記憶がよみがえる。そして再読ということになったのだけど、この本、どういうふうに面白いのか、やっぱり理解できない。もう一冊くらいフォードの本を探してみたうえで、継続して読むかどうか決めることにします。2019/09/04

星落秋風五丈原

15
画家ピアンボは「姿を見ずに話だけを聞いて肖像画を書いて欲しい」と夫人から屏風越しに言われる。金のために望まぬ絵を書いていた自分から脱却できると考えたピアンボは受諾。やりたい事という願いと望まれる事の間で苦しむピアンポの気持ちは職業人なら理解できる。「父親は結晶言語学者で、自分は空から降ってくる結晶を解読して未来を占う能力を受け継いだ」などと奇妙な話でピアンポを惹き付けては質問を巧みに躱す夫人。彼女のファム・ファタールぶりが絶品で愛してくれる誠実な恋人がいるにもかかわらず夫人に惹かれてゆく理由がよくわかる。2008/04/08

紅はこべ

13
舞台は19世紀ニューヨーク。主人公は富裕層に人気の売れっ子肖像画家。彼は自らが追求する芸術と、金になる作品との相克に悩んでいた。そんなある日、奇妙な依頼人から奇妙な依頼が持ち込まれる。彼はそれを機に、芸術家としての脱皮を図るのだが。幻想、怪奇、ミステリ、恋愛を網羅した作品。後味は悪くない。2008/04/19

豆茶

9
雪の結晶から未来を読み解く結晶言語学者、目から血の涙を流して絶命に至る奇病、屏風越しに数奇な半生を語る夫人の謎…暝い迷宮の小路をさまようような画家の冒険譚。途中でネタ割れしたものの、結構ドキドキしたし、愉しかった。「言葉人形」を読んだ時も思ったけど、やっぱり、この作家とは相性がいいのかな。2019/10/13

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