内容説明
詩・演劇・小説・絵画、ジャンルを超えた今の時代の“父”の諸変奏。英米文学作品の中に現れる“表象としての父”を読み解く14編が、困難な状況に置かれた文学研究の今を問いかける。
目次
1 父との相克と和解(エリザベス一世の肖像画とヘンリー八世の肖像画との関係;父との葛藤から民族の使命へ―『フロス河の水車場』から『ダニエル・デロンダ』へ;愛する父の真実―ホプキンズと神のイメージ;物質主義者は詩人の父たりうるか―イアン・マキューアン『土曜日』)
2 問題を抱える父(反復・模倣・共振―『スペインの悲劇』における父親たちの悲嘆について;メルヴィルの家庭小説「私とわたしの煙突」―十九世紀アメリカの新しい父親像;顕在と潜在―ナボコフにおける父の形象)
3 変貌する父の表象(『メナフォン』における父たち;父帰る―近代初期英国における訓戒の書と『ハムレット』;ロレンスにおける父・身体・触覚―「盲目の男」を中心に)
4 父へと遡る(イェイツの想像力とロマン派の父;Fukushimaから『荒地』を読む;TSE@IAS―物理学者に囲まれたエリオット;オルソンの文学的「父」、ハーマン・メルヴィル)
著者等紹介
鈴木俊次[スズキシュンジ]
1946年生。愛知学院大学文学部教授
滝川睦[タキカワムツム]
1959年生。名古屋大学大学院文学研究科教授
平林美都子[ヒラバヤシミトコ]
1951年生。愛知淑徳大学文学部教授
山口均[ヤマグチヒトシ]
1950年生。愛知学院大学教養部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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